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「私…暫く、１人でゆっくり考えようと思って。」
道枝「えっ…？」
「ほ、ほら、最近１人の時間とかあまり取れてなかったから…」
道枝「あっ…えっ、それ、どういう意味…？」
「１人が気楽かなぁって。へへ、ごめんね…」
道枝「……」
「……っ」
苦しい。本当に言いたかったことと違うことを言うのは——
傷つけて、傷ついて、
恋愛ってこんなに苦しいものだったんだっけ…
道枝「嘘つきやな、」
「…？」
道枝「嘘、ついたら鼻伸びるんやで。」
「えっ？？」
道枝「ほら、伸びてきた」
「へっ！？」
それこそ冗談だってことくらい分かるのに、
あまりに真剣な表情で言うもんだから慌てて鼻に手を伸ばすと、道枝くんは少し半笑いでその手をそのまま掴んだ
道枝「やっぱり嘘やん」
「どんなボケなの…」
道枝「おもろかった？笑」
結局そのまま、もう一度腕の中に引き寄せられてしまった——
道枝「もう無理。こんなに好きやから今更突き離されても離れられへん。何があったか分からへんけど、、とりあえず進んでみるんやダメなんかな」
「……でも、私…」
道枝「また最低やからとか言うん…？そんなの関係あらへんって言ったやん」
「……っ、良いのかな、私、道枝くんの隣に並べる？」
道枝「俺にはもったいないくらい、むしろ俺の方が並べるかな」
「っ、、」
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道枝くんの優しい声に今にも泣きそうだった
道枝「･･･A先輩、俺と付き合ってくれますか？」
「･･･っうん、」
道枝「っっっしゃあ！」
「？！？」
あまりに大きい声で喜ぶもんだから驚いて身体を離すと、「離れたらあかんよ」とすぐ抱き締められる
恥ずかしいくらいにくすぐったい甘い時間———
さっきまで消えてしまいたかったのに
そんな気持ちも一瞬で消し去ってしまった道枝くん
１年前はまさかこんな未来があるなんて
想像もしてなかった･･･
こんな私を丸ごと受け止めてくれて、
私がいいと言ってくれた彼を大切にしたい。
きっと道枝くんとなら、
私らしく、居られるよね･･･？
———「なんで、なんで俺やないん…？」
脳裏に響く別の声——
この声の持ち主を私は知ってる
でも前を向く為に過去の出来事には蓋をする
きっと大丈夫。
大丈夫、だよね…？
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作者名：fumi
| 作成日時：2022年5月14日 21時
