そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ4)

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正反対な私たちページ4

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私は人の分類が陽と陰に分かれるんだとしたら
きっと陰寄りの人間なんだと思う。

でもきっと、いや絶対に大橋くんは陽寄りで、
職場でもみんなのムードメーカーで、あっという間に彼の周りには人が集まる

そんな姿をどう思うかって？妬きもち？羨ましい？
いやいや！全くそんな事は思ってなくて、むしろ私はそんな大橋くんを微笑ましく、誇らしく思っていた。

『なあA、今日家来る？』

唐突に家に誘ってきたのは付き合いはじめた翌日で、今思えば私が先走って変なこと考え過ぎてたんだけど、あの時の私は飲んでいた水を吹き出すくらい動揺した。

『ちょ！何やってんねん笑』

「だって大橋くん変なこと言うから…」

『何が変なん？飯作ったろうかな〜って思っただけなんやけど？Aってばやらし〜！！』

「！！ち、違うよ！そんなんじゃなくて」

そう言ったってもう完全にペースは大橋くんに掴まれて、散々からかわれ後に『じゃあ今日一緒に帰ろな？』とだけ言って仕事に戻っていった。

彼と付き合いはじめてからというもの
日に日に彼のペースに飲まれていっている実感はあった。
でもそれが私は嫌ではなかったし、心地よさを感じる時もある。私っていわゆるMなのか…？

いやいや、何言ってんだ私は･･･
自分にツッコミを入れながら仕事を進める。この調子なら定時で上がれそうだ。

「大橋くん、お待たせ」

『ん、お疲れさん〜』

社内で付き合ってることを公にしていない私たちは外で合流した。別に隠す必要はないのかもしれないし、なんせまだ付き合い出して2日目だ。

『行こか〜』とサッと手を差し出した大橋くんはニコッと笑って私を待ち構えていて、それに応えてぎゅっと手を握るとそこからはまた彼のペースに引き込まれていく---

『まず買い出しからやな〜！』

「何作るの？」

『何がええ？』

「うーん･･･オムライスとか･･･？」

『よっしゃ、じゃあ特製の作ったる〜！』

「じゃあ私スープ作ろっか？」

『えっ？ホンマに？食べたい！！』

新婚夫婦みたいなやり取りをして帰ったこの日。
約束通りに美味しいオムライスを作ってくれて、私のスープも喜んで何杯も飲んでくれて---

まったりした時間を過ごして、
どちらからともなく触れ合って、堪らなく愛しくなった日

『泊まってく･･？』

「…うん」

初めて一緒に過ごした夜は
今思い出してもくすぐったくなるようなそんな日だった。