そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ18)

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似た者同士？ページ18

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「道枝くんが最低な人間な訳ないじゃん」

道枝「自分がこんな嫌な奴なんやって最近気付いたんですよ」

「嫌な奴…？」

道枝「出勤しても、家に帰っても、あーはよ大橋先輩と別れへんかなってずっと考えてるんで」

「ずっと…？」

道枝「そうですよ？大橋先輩がA〜ってにこにこして呼びに来るのとか、A先輩が和也って呼んでるのとか、ホンマに嫌やなってずっと思ってます」

その発言はちょっと意外で、
道枝くんから少しだけ口悪く言葉が出てくることが新鮮で、本当は笑いごとじゃないんだろうけど、思わず含み笑いしてしまった

道枝「へ･･･？」

「いや、意外だったから。道枝くんからちょっと黒い部分垣間見えたの。なんかいいね、笑」

道枝「どうします？そのうち藁人形とかで大橋先輩呪おうとするかもですよ？」

「いやいや笑それはさすがに可哀想っ笑」

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「でも、それは最低とは違うんじゃないかな。私が言うのも変だけど、恋するってそんな感じなんじゃない？私は本当に、人として最低なことしちゃったから」

道枝「それって、聞いていいやつですか…？」

「え？いやー･･･絶対引くと思うなぁ、、」

好意を向けてくれてる道枝くんにこんな事言ったら絶対嫌われるだろうと、話すことを躊躇する私は本当に貪欲だ。いつからこんな女になってしまったのか…

道枝「もし、それがホンマに最低なことなんやったら、それを最低だと思える先輩はまだ大丈夫ですよ」

「･･･道枝くんは本当に優しいよね…」

道枝「俺たち、似た者同士って前にA先輩言ってくれましたよね」

「？？、うん。言ったね」

道枝「最低な者同士、かつ似た者同士、最高ですね。」

そう言って笑って見せた道枝くんから
気付けば目が離せなくなっていた———

道枝「さっ、進めちゃいましょう〜俺、これなら出来そうなんでやっちゃいますね」

「あ･･･うん、ありがとう」

全ての業務が終わった頃には
既に時刻は22時を過ぎていて、結局最後まで付き合ってくれた道枝くんは疲れた表情全く見せず、手際よく帰り支度を進めている

「本当にありがとう、遅くなっちゃったね」

道枝「いえ！楽しかったんで！」

「今度お礼に何かご馳走するよっ」

道枝「え…？ホンマですか？やったー！」

突然のガッツポーズ。
身体全体で喜びを表現する姿に少し愛しさを覚えたのは自分の中だけに秘めておこう——

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