そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ1)

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はじまりは突然にページ1

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これは少し過去の話———

大学を卒業してから
ごく普通の一般企業に就職した私は
社会人1日目から盛大にやらかすことになる

「忘れ物もないし、身だしなみもOK！」

就職を機に1人暮らしを始めた。
色んなことが初めてのことばかりで戸惑いもあるけど、新しい生活にワクワクもしていた。

時間に余裕を持たせて家を出る。
出社1日目、天気も良好！自然と気持ちも前向きになった。

「会社の人、良い人たちだと良いなぁ…」

そんな事を思いながら歩いていると
急に少し身体が浮く感覚があり、「えっ…？」と驚く間もなく大きな物音と共に私は盛大にコケた。

「いっっったぁああ〜〜」って声を出したかったところだけど恥ずかしさが勝ちそれどころではない。

足元を見るとヒールが石畳みの隙間に挟まり、それだけならまだ良かったのに、見るも無惨にヒールだけが虚しくそこに挟まっている…

「私の靴どこ行ったの、、、」

辺りを見回しても何故か無い。
ヒールが折れても、靴さえあれば何とかなると思ったけど靴が無いんじゃどうしようもない。

「最悪、、恥ずかしいし痛いし、」

周りを行き交う人達は見て見ぬふり。
笑われたりはしないものの、冷たい世の中だなぁと虚しい気持ちになっていた。

「はっ！そんなことより時間は？！」

時計を見ると余裕だったはずの出社時間までまあまあ良い時間になってしまっていた。
さすがにこのまま靴なしでは出社出来ないしどうしようかと頭を抱えていた時、頭上から声がした

？『どうしたんですかー？えっ、転んだん？！足怪我してるやないですか！』

ちょっとカスカスなハスキーな声が印象的で、それに関西弁…？誰だろうこんな私に声をかけてくれる優しい人は、、と見上げると

そこにはワンコみたいにふわふわな髪に
きゅるきゅるな目でこちらを見下ろす男の人が立っていて、こんな状況なのにドキッとしてしまうほど優しい顔付きの彼に視線が奪われていた

「あ･･･えっと･･･転びました･･･」

？『足めっちゃ痛そうやん！てか血出てる！立てる？！』

転んだ私より慌ててる彼の姿がなんか可笑しくて思わず笑うと『笑い事やないでー？！』と彼も少し笑っていて、本当は急がないといけないのに、何かちょっとだけこの瞬間が楽しくて、暫く地べたに座り込みながら彼を見上げていた

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