そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ34)

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後悔ページ34

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翌日、私は就職して初めて仕事を休んだ。
何も考える気力が起きなくて、
道枝くんにも合わせる顔が無かったし、
何より、長尾くんに会いたくなかった。

全部長尾くんのせいに出来れば楽なのに、
出来ないのは自分の意志の弱さが
どこかにあったのをしっかり自覚してるから

目が覚めて何時間経ったんだろう——
ずっと景色は変わらず
私はベッドから動けずにいた

結局そのまままた目を閉じて眠りに着く
体調が悪い時みたいに
いくらでも眠ることが出来た

・
・
・

「(ん、、、何の音…？)」

誰もいないはずの部屋に物音がした
あんなに虚だった目が恐怖で一気に覚める
慌てて起き上がると、

『お、やっと起きた。』

『何も食べてへんのやろ？スープ作ったから食べや』

あれ…私、今までずっと夢を見ていたの…？
そんな錯覚をするほどに、和也はその場所に当たり前のように立っていた。

「どうして、ここにいるの…」

『Aが休みやって聞いて、そんなん滅多にあらへんやん。大丈夫かなーって様子見に来てん』

「･･････」

『声かけても反応せぇへんし、死んでんのかと思たわ…』

「…いっそそうなれたら楽かも」

『何言ってんねん』

「もう、ダメだ私…」

和也は項垂れた私に喝を入れるように
ベッドから起き上がらせて肩を揺さぶった

『しっかりしぃや。何があったん』

「･･････」

『謙杜と上手くいかへんかったん…？』

「えっ？なん、で長尾くん…？」

『え？この前言ってた相手、謙杜ちゃうん？』

「ち、違うよ…！！」

『なんや、てっきり謙杜やと…』

「な、なんで…」

『なんでも何も、"早くA先輩と別れてくれませんか"ってしつこいくらいに言うてきてたから…』

「えっ…」

『まあ、今に始まったことやないけど…謙杜はずっとAのこと見とったし』

「長、尾くんが…？私を…？」

そこから和也が話してくれた話は、
私には知らない、見えていなかった長尾くんの姿だった。

『知ってると思っとった。』

「知らないよ…いつもからかってばっかりだったし、楽しんでるのかなって、もちろん優しいとこあるのも分かってはいたけど…」

『謙杜って素直やけど、不器用よな。』

「･･････」

分かってる。
長尾くんが本当はいい子だってことくらい
だって、少なからずあの時
私を救い出してくれたのは他の誰でもなく
長尾くんだったんだから