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ステージの真ん中。
姫役の私と、王子役の宮田くんがライトに照らされる。
ついにラストのキスシーンだ。
「…僕は、君だけを愛したいんだ」
そう言って、宮田くんは私の顔を見つめてくれたけど、すぐに逸らされてしまった。
本番中だから、目ではなく、きっと鼻のあたりを見つめて、顔を見つめているふりをしているんだろう。
私がいくら宮田くんを見つめても、目が合わないから。
「…ずっと、愛してください」
ここで、王子様が姫の頬を包み込んでキス…。
「…きゃあっ」
「きゃ〜大胆！」
「素敵！」
大きな拍手ともに、そんな言葉が耳に届く。
幕が完全に降りてからも、拍手は止まらない。
劇は、大成功だったようだ。
「藍川さん、どういうこと？」
「…宮田くん、怒ってるの？」
「怒ってないよ。ただ…驚いてるだけ。どうして、あんなことしたの？」
「北山くんが提案してくれたの。宮田くんに思いを伝えるには、ステージ上が1番だって」
「思い？」
「だって宮田くん、私の事ずっと避けてるんだもん。ステージ上なら、逃げられないでしょ？」
「だからって、何でキスなんか…」
私は、宮田くんにキスをした。
宮田くんが私の頬に触れる前に、宮田くんの首に手を回して、そっと宮田くんの唇に口付けたんだ。
「宮田くんのことが好きだからだよ。ずっと、気付かないふりをしてたんだ。私に宮田くんは不釣り合いで自分で決めつけてたの」
「不釣り合いなわけないよ！俺は、こんなにも藍川さんが好きなのに」
「宮田くん、私の王子様になってくれませんか？」
「もちろん、喜んで」
あなたは、他の誰よりも素敵な王子様。
これからは、ずっと私だけの王子様でいてね。
〜END〜
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作者名：みっ。 | 作成日時：2017年9月14日 23時
