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「もう、さっきの話聞いてた?(笑)」



「ご、ごめんなさい…」



「恋愛モノにはキスシーンがなきゃ盛り上がらないって、北山くんがうるさくて。私はデリケートな部分だから、あえて入れてなかったんだけど」



確かに、楠木さんの脚本にはそういったシーンは一切なかった。



普通、恋愛モノにはキスシーンがあって当たり前。



北山くんの言う通りだ。



「ほら、2人が付き合ってるっていうなら、キスシーンとかは問題ないだろうけど、2人は付き合ってないから、そんなことさせるとお互い気まずいだろうし」



「確かに…」



……キスなら、宮田くんは私じゃなくて玉ちゃんとするべきだと思う。



劇で玉ちゃんが女装することになって、宮田くんが玉ちゃんに…。



いやいや、逆に宮田くんをお姫様にしちゃって、玉ちゃんがかっこよくキス…なんてのもいいな。



「…さん、かわさん…藍川さん!!」



「…え、あ、ご、ごめんなさい!」



「いいのいいの。考え込ませちゃってごめんね?」



楠木さん、私がキスシーンのことで考え込んでたと思ってくれたみたい。



……宮田くんと玉森くんで妄想してたなんて、口が裂けても言えない。

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作者名:みっ。 | 作成日時:2017年9月14日 23時

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