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「ま、待って待って!!」


「リネ、どうしたんですか?ボク何かしました?」


「何をしたかって…。君ね、僕は男で君は女の子。普通年頃の女の子は男の前で着替えないものだよ!?」


顔を真っ赤にさせながら必死に脱ごうとするボクの腕を動作を封じる様に抑えており、腕がちっとも動かせない。


「そうなんですね。ボク、それ知らなくて平気で男の人の前で着替えてました。」


そう、刃ちゃんの目の前で着替える事はざらにあった。しかし刃ちゃんは平気な顔をしてその場にいたし、何も言ってこなかった。


「うん、それは多分耐性があるか、その人も分かってないか、言うのも多分面倒だったんじゃないかな!とにかく。ここは男の比率が高い。必ず男がいたらそこで着替えたらダメだよ。」


僕は部屋の外で待ってるから、と急いで部屋の外へと出ていった。別に裸体を見られても恥ずかしいなんて思わないのに。


ボクは待たせまいと急いで着替えて部屋を後にしたのだった。


──────


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「執行官は幹部みたいなものって言ったけど、緊張とかはしなくて大丈夫だからね。いい人もいるし。……ちょっと頭のネジ数本飛んでる人がちらほらいるけど。」


廊下を歩きながらボクに緊張させないように優しく話すリネ。だがリネ、ボクは別に緊張もしてなければ星核の事しか頭にないのだ。


「っと、あっという間に最初の人の所に着いた。ここは執行官第11位である【公子】様のお部屋だよ。執行官様は今全員こっちに戻ってきてるし、恐らく部屋にいるはず。」


コンコンコンっとノックをすると部屋の中から青年の声が聞こえた。


「公子様。リネです。失礼しますね。」


部屋を開けると若干汚くなっている部屋が目に映った。そしてデスクの方を見ると茶髪の青年がこちらに手を振っている。


「やぁ君が俺の所に来るなんて珍しいじゃないか。…そこのお嬢ちゃんは?」


「紹介します。明日から執行官様方の部屋を清掃する事になったAです。」


「よろしくお願いします。」


ぺこりとお辞儀をすると足音が近付いてきた。あの公子とかいう青年がこっちに近寄ってきているのだ。


「ああ、召使が看病してるっていう女の子って君の事だったんだね?召使が言っていた容姿が一致している。」


もうボクの情報知らされていたのか。


…これは下手に動く事は出来ないかもしれない。

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作者名:麻衣太郎 | 作成日時:2024年4月4日 0時

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