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18話 ページ18

「心配してくれてるの?ありがと。でも大丈夫だよ。」



ぽんぽんと頭を撫でてあげると無一郎は不服そうな顔で私を見上げた。

頬を少し膨らませて不貞腐れている。可愛い。
女子より可愛いとか罪でしょ。



「いつまでも子供扱い。」

「中二と高二はこんなもんじゃない?」



軽く無一郎を宥めると無一郎は更にキツく抱き締めてきた。
首が絞まるんじゃないかって本気で不安になってきた。



「……好き。」

「そうかー。」

「Aは?僕の事好き?」

「もちろん好きだよ。」



「幼馴染として?」

「うん。」



決して罪悪感がないわけじゃない。好きと言ってしまうことに。

仮にも無一郎は私の事を一人の女性として好いてくれているのだから。


でも好き?と聞かれて好きじゃない、とは言えない。
だって大事な人だから。



「はぁー、何で僕ばっかりこんなに好きなんだろう…」

「…無一郎の私に対する想いって本当に恋情なのかな?私は、幼馴染としての愛と勘違いしてるんじゃないかなって、思う。」

「……そんなわけ、ないじゃん。」



無一郎は私の事を抱き締めたまま放そうとしない。例えるなら支柱に巻きついた朝顔の蔓。

絡みついて、離れない。



「Aが他の男と話してるの見ると腸が煮えくり返りそうになる。
男として見て貰えないことがすっごく悲しい。
可愛い幼馴染って思われるのが嫌。
僕はあと三年早く生まれてきたかった。」



つらつらと恥ずかしい言葉を息を吐くように並べていくものだから、少しだけ気恥ずかしくなってしまう。

キスされた時は恥ずかしさなんて微塵もなかったくせに、何故か今とても恥ずかしい。


どうしたんだ私。



「……無一郎の事、大好きだよ。」

「うん、知ってる。」



でも私は、彼と同じ気持ちを返してあげることができない。


自分勝手だとはわかっているけど、私は無一郎から離れたくない。無一郎の隣は心地良いから。
この関係が崩れてしまうのが、どうしようもなく怖い。



ねえ、無一郎。
貴方が好きだと言ってくれる私は、今の関係を維持したいと思ってしまう最低な奴だから。

早く違う人を好きになりなよ。

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yuina03230418(プロフ) - あっ、むいくんの小説で極端に出る時と極端に出ない時がある善逸〜(( (2020年12月6日 20時) (レス) id: 411fa87a66 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - 二周しましたよぉぉぉ!!凄いもうこの…こう……とにかく凄いです!(語彙力)これからも応援してます!!!! (2020年10月18日 7時) (レス) id: 0b66878cc1 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - むいloveさん» 応援のお言葉ありがとうございます!恋の呼吸を放ってしまいそうな程キュンキュンして頂けて光栄です! (2020年6月23日 16時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)
むいlove - 自分の本名でやったので、よみおわったあとキュンキュンして恋の呼吸を放ってしまいそうでした!とても、書くの、お上手ですね!応援しています! (2020年6月23日 10時) (レス) id: 72d195a4a4 (このIDを非表示/違反報告)
白霞(プロフ) - ももんがさん» ありがとうございます。応援のお言葉まで…感謝の限りです! (2020年6月15日 20時) (レス) id: 7828c1c33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年5月15日 16時

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