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『わたっ…しは、A、って言います、親がっ、私の…ことを、ころ…そ、と、してきてっ…逃げっ、ていた、ところ…でっ』

私がそこまで言ったところで、寂雷という人が私の頭を撫でてきた。

「喋り慣れていないのかな?緊張しなくても大丈夫だよ、伝わったから、君はこれからどうしたい?」

そもそもこの喋り方になってしまうのは、緊張というのが大きかったので、正直そう言って貰えるとすごく助かった。

それにしてもこれから。と言われても何が何だか全く分からない。まだ10歳の年端も行かぬ子供に何を聞いているんだこの大の大人は。

「これ、から……」

そしてその時私は気づいた。ただ一つの思いに、願いに。

「普通に…暮らしたいっ…」

いつの間にか私の目からは涙が零れていた。




━━━━━━━━━━━━━━━




いつの間にか寝ていたか。

私が目を覚ますと辺りはもう、美しい紅色染まっていた。

何か腕に着いていると思えば輸血の針か、確かに貧血の症状がかなり和らいでいる。

「おや、起きたかい?」

『はい、あの、私…』

寝てしまったという謎の罪悪感と、これからどうすればいいのかも分からない不安感から、意味もなく話し出してしまった。あるよね、こういうこと。

「そうだね、とりあえず暫くは家にいるといいよ。自分の家の位置もあまり分からないのだろう?」

実はそうなのだ、家から、親から逃げることに成功したは良いが、ここがどこかすら理解していない中夜の道を歩き続けていた。

『……すみません』

「いや、いいんだよ、とりあえず君については知り合いのなんでも屋に調べてもらおうと思っているんだけど、それでいいかい?」

『大丈夫です』

「わかったよ。もうすぐ夜ご飯なのだけど、歩けるかい?」

貧血の症状がかなり和らいでいて、足の傷も縫ったあとだったので、歩けないことは無かったが、まだ本調子じゃないのか、少しふらついてしまった。

「大丈夫かい?」

『大丈夫です』

寂雷という人は私に合わせて、ゆっくりと歩いてくれた。

『すみません、ありがとうございます』

「いや、いいんだよ」

夜ご飯を食べていると、寂雷という人が突然話し出した。

「君について軽く聞いてもいいかな?」

『はい』

「歳は何歳だい?」

『10…』

寂雷という人は少し驚いた様子を見せたが、すぐに次の質問をしてきた。

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ゆっぴ(プロフ) - ありがとうございます!こんな作品を見つけて下さって褒めて下さって…感激です!亀以外更新ではありますが…これからも頑張りますね! (2020年11月27日 22時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
- とっっっても!!!面白かったです!!!亀更新でも大丈夫です!続き楽しみにしています! (2020年11月27日 21時) (レス) id: 652322b724 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴ(プロフ) - わざわざありがとうございます!とても嬉しいです!! (2020年11月9日 16時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
ひょぉ!(プロフ) - ゆっぴさん!コメントやリクエストありがとうございました\(//∇//)\お話読ませていただきました!とても面白かったです(^○^) (2020年11月9日 7時) (レス) id: 0b08c3a725 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆっぴ | 作成日時:2020年5月11日 20時

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