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「他に痛い所は無いかな？」
ここで嘘をついたところで何もいいことは無いだろうと思い、正直に言う。
『腕、いたっ、い、です』
私がそう言うと寂雷という人は「少し捲るよ」と言って私の服の袖を捲った。
「これは…かなり痛かっただろう」
盛大に転んだ擦り傷のようになっている。ちなみに洗い流す時間が無く、かなりのあいだそのまま放置してしまっていた。
「かなり染みるだろうけど、我慢してね」
そう言うと寂雷という人は傷口を丁寧に荒った後に消毒液をかけ、包帯を巻いた。
「ベッドが置いてある部屋が少なくてね、申し訳ないけどソファーに横になってもらえるかい？」
正直言うと、私はまだ状況を全く飲み込めていない。
なんなら今私はやばい人に攫われていると言われても納得してしまう自信がある。
というかそもそも名前しか聞いていない人に自分の体に注射させるなんて普通なら考えられないし、なんならさっき食べた食事に毒が入っていたところでそれは騙した騙されたなどというレベルではなく、ただ私の警戒心が皆無だったと言うだけのことだ。
それでも何故かこの人は信用できると思ってしまった、それは私の警戒心の無さが祟っているのか、それは分からない。
『は、はい』
あともうひとつ言うとすれば怪我を治療してくれただけで十分であって、もう外に放り出してもいいじゃないかと思わなくはない。
「私は医者なんだよ、だから君のことを放っておく訳にはいかなくてね、今日の朝に点滴を持ってきたんだ」
何か知らず知らずの内にかなりの迷惑をかけていたようだ。
「栄養失調と貧血が酷いように見えたからね、君が私の事を信用出来ないと言われたとしても、まぁそれは納得というか、ある意味では当然のことなのだけれど」
「点滴してもいいかな？」
寂雷という人さ少し困ったように笑って私にそう聞いた。
私としては、助けて貰った人に朝一で病院に行かせるなんて言う迷惑をかけておきながら、ここで拒否する方が失礼だという風に思う。
『だぃ、じょぶ、です』
私がそういうと何か、さっきとは打って変わって晴れやかな笑顔でこっちを見てきた。犬みたい。
寂雷という人はすごい速さで点滴をつけ終えた。
「言いにくかったらいいんだけれど、改めて君があんな時間に外を出歩いていた理由とこれからどうしたいか聞いてもいいかな？」
なんというか、ここまで迷惑をかけておいて今更嘘をつくというのも流石に気が引けるので、私は正直に話すことにした。
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ゆっぴ(プロフ) - ありがとうございます！こんな作品を見つけて下さって褒めて下さって…感激です！亀以外更新ではありますが…これからも頑張りますね！ (2020年11月27日 22時) (
レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - とっっっても！！！面白かったです！！！亀更新でも大丈夫です！続き楽しみにしています！ (2020年11月27日 21時) (レス) id: 652322b724 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴ(プロフ) - わざわざありがとうございます！とても嬉しいです！！ (2020年11月9日 16時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
ひょぉ！(プロフ) - ゆっぴさん！コメントやリクエストありがとうございました\(//∇//)\お話読ませていただきました！とても面白かったです(^○^) (2020年11月9日 7時) (レス) id: 0b08c3a725 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっぴ | 作成日時：2020年5月11日 20時
