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あの後、肩を貸してもらった…と言いたいところだが背が高すぎてそれもままならなかったので軽く担いでもらった。

軽く担ぐってよくよく考えると凄いワードだなとおもう。

「朝ごはんをたべたら治療をしようか」

『いえ、あの、でも、そこまで…迷惑を、かける訳には…いかないというか、そもそも…なんで私がここにいるか、とかも…理解してなくて』

「あぁ、それなら大丈夫だよ」

何がですかそれ。とはいえ、私も死にたい訳では無いので用意されているご飯を食べる。

最近ものをまともに食べられていなかったので、胃が拒否するかと思ったが、お粥だったのでどうにか食べることが出来た。

食べ終わった後に寂雷という人が「よく食べれたね」とにこやかに笑っていたが、正直何を言っていたのかわからなかった。

「うん、じゃあソファーに座って、とりあえず足をだしてもらえるかい?」

言われた通りにするが、服をまくる時に手が足にあたって地味に痛い。

パンツスタイルなのは良いが、洗いすぎてズボンが脱色してきているのは如何なものか…。

「かなり痛いかもしれないけど包帯を取るね」

私は小さく頷いた。

寂雷という人が包帯を取ると、傷は昨日とほぼ変わらない状態だった。

とは言っても包帯である程度止血をしているのでかなりいい方ではある。

「まず足から治療していこうか、注射をするけど大丈夫かい?」

『だい、じょぶ』

私がそう言うと寂雷という人は私の傷の近くに注射針をさしたあとに、傷の近くを触って言った。

「触っている感じはあるかな?」

『ない、です』

「うん、大丈夫だね、じゃあ今から縫っていくけどいいかい?」

多分私をあまり刺激しないようにか知らないが、一々許可を取ってくる。まぁ別にそれが鬱陶しい訳でもないのだけど、なんというか、不思議な感じではある。

『はい』

私が小さくそう言うと寂雷という人は私の足を器用に縫っていった。

私も世間知らずという訳では無いし、ある程度の常識なら持っているので、大きい怪我をした時は縫う、ということくらいは知っていたものだけれど、それでも今まで自分の体を塗ったことがある訳では無いので、何か変な感じだ。

「うん、これで大丈夫だね、痛みが出てきたら言ってね、あまり痛いようだったら鎮痛剤とかも入れるし」

『わ…かりました…あの、あり、がとう…ござい、ます』

「いや、これくらいいいんだよ」

相も変わらず本当ににこやかに笑う人だ。

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ゆっぴ(プロフ) - ありがとうございます!こんな作品を見つけて下さって褒めて下さって…感激です!亀以外更新ではありますが…これからも頑張りますね! (2020年11月27日 22時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
- とっっっても!!!面白かったです!!!亀更新でも大丈夫です!続き楽しみにしています! (2020年11月27日 21時) (レス) id: 652322b724 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴ(プロフ) - わざわざありがとうございます!とても嬉しいです!! (2020年11月9日 16時) (レス) id: 7ff6de5a8e (このIDを非表示/違反報告)
ひょぉ!(プロフ) - ゆっぴさん!コメントやリクエストありがとうございました\(//∇//)\お話読ませていただきました!とても面白かったです(^○^) (2020年11月9日 7時) (レス) id: 0b08c3a725 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆっぴ | 作成日時:2020年5月11日 20時

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