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「Aちゃん、おはよう。」
「おはよう。ごめんね、ちょっと寝坊しちゃった。今からマロ君のお散歩行ってくるね。」
「助かるよ。それより、たまとのデートはどうだった?」
「えっ……うん。楽しかったよ?」
リビングへ入ると渉くんがキッチンに立っていて、ニヤニヤとデートの質問をしてくる。
朝帰りのことは突っ込まないでくれるところが渉くんらしくて優しい。
「それならよかったな。」
「へへ、うん……。あ、ほらっ、マロ君おいでー!じゃ、行ってきまーす!」
なんだかとっても照れくさくて、渉くんの視線から逃れるように家を飛び出した。
渉くんの話だと昨夜も遅くまでミツは仕事をしていたらしいから、今日は一日部屋で寝てるのかもしれない。
そう思っていたけど、現実は違った。
「なあー!」
「えっ。なーにー?」
お散歩から帰宅して玄関でマロ君の足を拭いていると、姿は見えないけれど階段上からミツに呼ばれて。
「用が済んだら、俺の部屋に集合だかんなー。」
「え、なんでー?」
「なんでもだよ!」
私の質問には答えず、そのままミツは部屋へ戻ったらしい。
なに?
凄く機嫌も悪そうだし、関わるの嫌なんだけどなぁ。
「はぁ……。」
ついため息が零れる。
これで私も無視して行かなかったら、なに言われるかわからないし、簡単に食事を済ませてから仕方なくミツの部屋へ向かった。
「ミツ、来たよ。」
「おう。」
ミツの部屋に入ると炬燵テーブルの上も床も散らかり放題で、思わず足が止まる。
なに、これ。
この間と違いすぎるんだけど?
「どうしたの、この部屋。」
「あぁ、ちょっと汚くて悪いな。」
「いや、それはいいんだけど………。」
この汚さはちょっととかっていうレベルじゃないと思う。
もしかして仕事がうまくいってないのかなって心配になった。
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作者名:にかみつば | 作成日時:2021年6月23日 17時