きっかけはシェアハウス２ (ページ23)

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Aは俺の告白を受け入れてくれたけれど、俺のことを男として惚れて好きになったわけじゃないことはわかっていた。

Aは廉のファンだから。

俺から感じる廉が好きで、俺のことも好きだと錯覚してるだけ。

そんなこと最初から気づいてた。

気づいてたけど、それでもよかった。

廉だって紛れもなく俺なわけで、廉だけじゃなく俺のことも好きになってってくれたらそれでいいと思ったから………。

だけどAは素の玉森裕太ではなく、ミツに恋をした。

一緒にいられる時間は少なくても、そのくらいわかる。

俺はずっとAだけを見たきたから。

このシェアハウスにAが来て、Aを妹ではなく女の子として好きになってから、何故か俺はミツを警戒していた。

もしかしたらこうなる予感がしていたのかもしれない。

はぁーあ。

俺って結構モテるのにな……。

どうして好きになった子ほど手に入らないんだろう。

今まだってそう・・・。

この業界に入って出会った未央ともそうだった。

無邪気に笑う彼女に一目惚れして告白すると、彼女も俺に一目惚れしてたと言い、すぐに付き合うことになったけど。

半年経った頃、未央の事務所にバレて無理矢理別れさせられた。

会って話し合うことも“ありがとう”も“さよなら”も言えずに終わりを迎えた。

本気の恋だったのに。

その後、未央は一年も経たない内に俳優と結婚してすっぱりこの世界を引退したと、ネットニュースを見て知った。

もしもあの時、別れずに強引に奪っていたら、俺が未央と結婚できてたのかな……。

今更そんなこと考えたって仕方ないのに、不意にそんな昔のことを思い出してしまった。