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「あーっ、帰りたくなーい!」


「ふふっ。裕太くん?どうしたの?」





お台場からの帰り道、運転する裕太くんが急に大きな声を出して、ため息を吐いた。





まだどこか行きたい場所でもあったのかなと思って聞けば、これまた大きな溜め息を吐かれてしまう。






「えっ、ごめん。なに?」


「家に帰りたくないなーと思って!」


「う、ん?」




どうしてかわからなくて小首を傾げると、裕太くんの纏う空気が変わった気がした。





そして信号で止まった瞬間、私の方へ向いた裕太くん。





「まだ、ふたりきりでいたい。」


「うん、私も。」


「…………ホテル、行く?」


「えっ!?」




ホテルって、まさか・・・





初デートでまさか、それはないよね?





違う……よね?





「えっとぉ、裕太くん……?」


「だって帰ってもふたりがいるし、イチャイチャできないじゃん。」


「そっ、そうだけど。」




だからと言って、そういうことは心の準備ってものが必要で。





もちろん初めてなんかじゃないけど、幼馴染みの裕太くんというか、ずっとファンだった廉さんと……って思うと心臓が爆発しそうになっちゃって。





裕太くんには絶対わからないと思うけど。





「って言うことで、ホテルへGO!」


「ええっ、そんなノリなの?」


「ふふふっ。だって楽しみじゃん?」


「や……ど、どうだろう。」




そんなハイなテンションの裕太くんを見てると、途轍もなく不安になってくるっていうか。






あれ。




あれれ………?





なんだか私の想像とは違うような。




もっと小道で如何わしい雰囲気が漂う場所を想像してたのに、窓から見える景色は綺麗な夜景がずーっと続いていて。






「よし、ここにしよっ?平日だし、どっかしら空いてるでしょ。」


「…………え、ここ!?」


「そーだよ、行くよー。」




すごい軽い感じで言いながら手を引かれて、グングン先を急ぐ裕太くんに合わせて、何度も小走りしながら後ろを着いて行った。

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設定タグ:北山宏光 , 横尾渉 , 玉森裕太   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:にかみつば | 作成日時:2021年6月23日 17時

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