キミが残してくれたモノ (ページ6)

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その日パパはひとりで病院へ行くと言い、私は隣に住む4つ年上のみっくんのおうちでお留守番することになった。

みっくんの両親と私の両親は、私が生まれる前からのお隣さんで、お互いひとりっ子な私たちは小さい時から兄妹のように育てられてきた。

何度もパパが変わってもみっくんの両親は全てを受け入れてくれて、新しいパパにもいつも優しくしてくれた。

みっくんママは、パパが変わる度に私のことをとても心配してくれて、嫌なことがあったらいつでもうちにおいでと言ってくれた。

みっくんも私の本当のお兄ちゃんみたいな存在で、私のことを凄く可愛がってくれる。

そんな関係の北山家にパパが事情を話すと、3人とも快く私を引き受けてくれたそうだ。

「Aちゃん。いいコで待っててくれる？」

「うん……。ねぇ、ママは？いつ帰ってこられるの？」

パパは苦しそうな表情で微笑むだけで、なにも言ってはくれなかった。

ただただ私の髪を優しく撫でて、みっくんママに頭を下げた。

「Aをよろしくお願いします。すぐ迎えに来ますので。」

「Aちゃんのことは大丈夫よ。玉森さんも気を確かにね。」

「はい、ありがとうございます。Aちゃん、またすぐね。」

「うん……。」

笑顔で手を振るパパ。

玄関の扉が閉まる瞬間、パパは顔を歪ませながら一筋の涙を零したのを見てしまった。

それを見たら悲しくなって、私も泣いた。

「A……。泣きたい時は我慢しなくていいんだよ。」

「ふぇ……みっぐんっ……うう、うわぁーん！！」

みっくんは私のことをぎゅーっと抱きしめてくれた。