キミが残してくれたモノ (ページ34)

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「みっくんだ、おかえりなさいっ！」

「おう、ただいまー。今日の休み時間会ったな。」

「うんっ。みっくんのことね、すぐ気づいたよ！」

私より少し遅れて学校から帰宅したみっくんの後ろを着いて歩く。

リビングへ行っておやつを食べてしまわないうちに、手を洗い終わったみっくんを呼び止めた。

「みっくん、ちょっと来て？」

「ん？なに、どした？」

手を握ってみっくんの部屋に連れて行く。

「ねぇ、みっくん。今日は何の日か知ってる？」

「えー、わからないなぁ。何の日かなー？教えて、Aちゃん。」

「今日はね、バレンタインだよぉ！コレ、みっくんにあげるっ。」

ピンクのラッピング袋を渡すと、みっくんはすごーく驚いていた。

「バレンタインかー！全っ然、気づかなかったなぁ！ありがとう、A。開けてもいい？」

「うん、いいよぉ！」

「今年はどんなチョコかなー………おっ、手作りじゃん！Aが作ったの？」

「うんっ。みっくんママと作ったんだよ！凄いでしょー！」

私が自慢気に伝えると、みっくんは私の頭を撫でながら目尻を下げて微笑んでいた。

「凄いね、Aは。ありがとう。ハートから食べちゃおっかなぁ。」

「いいよぉ。」

余りにもみっくんが嬉しそうにしているから、みっくんにも大きなハートを作ってあげればよかったなぁと少しだけ後悔した。

「んまー！めちゃくちゃ美味いわ。」

「んふふっ。よかったぁ！」

「はい、あーん。」

食いしん坊なみっくんが、ヒヨコのチョコをぽいっと私の口の中へ入れてくれた。

「んーっ、おいひー。」

「Aが頑張って作ったからだねぇ。」

「パパも美味しいって言ってくれるかな？」

「そりゃー、言うに決まってるっしょ。」

「えへへっ。」

早くパパにも渡したいなぁ。