キミが残してくれたモノ (ページ24)

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24…T ページ24

今日と明日は目覚ましを掛けないで寝ていられる貴重な休日だ。

数日前、俺はAちゃんとふたりで動物園に行く約束をしていた。

朝早くから行ってもなんだし、ゆっくり起きてのんびり行こうかなーなんて思っていた、けれど。

寝返りを打ちつつ手を伸ばしてAちゃんの頭を探すが、見当たらなかった。

重い瞼を開けるとAちゃんはベッドの上にぺたんと座りながら、俺の顔を覗きこんでいた。

「ん……あれぇ、どしたー？」

「パパ、起きた？」

「どうしたのー？もう、お腹空いちゃった？」

Aちゃんは首を横に振りながら、俺に抱きついてきた。

「おわっ。」

「まだ行かないの？動物園。」

「んー……今、何時くらい？」

「7時だよ。」

「7時！？それは大変っ、まだ寝ないとだよ、Aちゃん。おやすみなさーい。グー……」

「え、ちょっとパパ！？起きてよぉ！」

俺にぎゅっと捕まえられてしまったAちゃんは身動き取れず顔だけあげて俺に抗議しているけれど、まだまだ眠い俺はそんなの無視して寝ちゃうもんねー。

背中をトントンしてあげればAちゃんは徐々に静かになって、あっという間に夢の住人になってしまった。

俺もこの小さくて柔らかいぬくもりを抱きしめながら夢の世界へ仲間入りした。

・

次に目が覚めるとAちゃんは隣でスヤスヤと眠っていたから、起こさないようにそっと寝室を出てキッチンへ向かった。

「んー、いいお天気だ。」

カーテンを開けると、今日は気持ちいいくらいの晴天だった。

キッチンに立っておにぎりを作りながらリビングに目をやると、ソファーに小さなもこもこリュックが置かれていた。

フフフ。

Aちゃんてば、出掛ける準備までしてたんだね。

保育園の時に先生やお友だちと一緒に行ったことはあるらしいけれど、プライベートで行くのは初めてだと言っていたから、よっぽど楽しみなのかもしれない。