17…T ページ17
「パパ、できたー？」
「もちろん。あと5秒でできるよー。」
pipi……
「おっ、出来たかなぁ…………ありゃ？」
「え、なに？わたしにも見せて！」
レンジから取り出すと、ふわふわスクランブルエッグのはずが、大きく一塊になったパサパサスクランブルエッグが完成していた。
「あちゃー。」
「パパ……？これはなにを作ったの？」
「これはパパオリジナルの卵焼き風スクランブルエッグだよーん。美味しそうだねー大成功！」
「……大失敗な気が……」
小さく呟やかれた声はスルーして、俺はそれを堂々とダイニングテーブルに並べた。
その日はAちゃんがたくさんお手伝いをしてくれた。
一緒に風呂場で楽しそうに大きなシーツを洗ってくれたり、洗濯物を仕舞ってくれたりもした。
「あとでスーパーにお買い物行こっか。」
「うん、行く。」
「じゃあ、夕方までお昼寝しますか。」
「えーっ、やだなぁ。」
「ダメー。はい、行くよー。」
「やだっ、降ろしてー。」
Aちゃんを強制的に寝室へ連れて行って、ベッドの上にコロンと降ろした。
今夜もまたぐっすり寝れるかわからないし寝れる時に少しでも寝てくれたらいいなと思って、隣に寝転がって優しくトントン触れながら嫌がるAちゃんを寝かしつけた。
・
「パ……パパ……起きてぇ。」
「んんー………眠くて起きれない……」
「もう夜だよ？」
「ふあぁ……寝むう。Aちゃん今、何時？」
「18時10分くらいだよ。」
重い目を開けるとカーテンの向こうは既に暗くなっていた。
夏も終わりに近づき、最近は日が沈むのが早くなったなと感じる。
「んー、行きますか。」
「ねぇ、パパ。今日はお外でご飯食べる？」
「いいよー。面倒くさいしそうしよっか。何食べたい？」
「わたし、ラーメン食べたい。」
「おっ、ラーメンいいねー。レッツゴー。」
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作者名：にかみつば
| 作成日時：2020年10月10日 10時
