八本の花 ページ9
* Side Obanai
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靴箱の前で、上履きからローファーに履き替えていた時
宇「伊黒、あれ見ろ。」
スマホを操作している琥珀Aがいた。
少し前に教室を出ていったとアイツと同じクラスの胡蝶から聞いたが、まだ帰っていなかったらしい。
『貴様は屑以下だな。』
『柱として、いや人として恥ずかしくないのか。』
『貴様などただの数合わせに過ぎない。』
分かっている。
今更こんなことをしても許されないことぐらい。
しかし、何もしないのは違うだろう。
『オイ。』
俺の声に琥珀は分かりやすく肩を揺らした。
そしてロボットのようなぎこちない動きで振り向いた。
琥「な、何?」
不「何じゃねェ。俺らのこと覚えてんだろォ?」
『不死川、単刀直入すぎるぞ。』
宇「いいじゃねぇか。また地味に逃げられても面倒だろ?」
それはそうだが、物事には順序というものがあることを知らないのかね此奴らは。
一方、琥珀は目を泳がせていて、明らかに動揺しているのが分かる。
琥「えっと、碓氷くん?と、信濃川くんと石黒くんだっけ?」
宇「地味に違ぇよ。ふざけてんのか?」
琥「え、うそ。ごめんなさい。」
宇髄に慌てて謝罪する琥珀。
それに違和感を感じたのは俺だけではないようで、宇髄も不死川も豆鉄砲を喰らったような顔をしている。
おかしい。
俺の知っている琥珀Aは、こんなにオドオドしている奴ではなかった。
昔のお前は、馴れ合いを嫌い強さを求め稲妻のようにひた走る、そんな奴だっただろう。
『俺は伊黒だ。こっちが不死川でそこの筋肉ダルマが宇髄だ。』
琥「あ、、、そうなんだ。」
不「とぼけんじゃねェ。ホントは分かってんだろォ?」
琥「え?いや、知らない。」
知らないだと?
そんなわけがない、俺は信じない。
宇「そんな鼻くそみてぇな嘘が俺らに通用するわけねぇだろ。」
琥「う、嘘?え、待って。何の話?」
だが、琥珀が嘘をついているようには見えない。
琥珀は宇髄と不死川の気迫にタジタジだ。
それに妙に他人行儀でまるで初対面の人に会ったような、、、
ッ、まさか、
?「何してるんだ?」
と、冨岡、、、?!
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作者名:哀川零 | 作成日時:2022年10月11日 23時