前寮長はイカれたウサギでした３【ツイステ】 (ページ18)

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今から約２年前。Aが入学し寮長になって初めての寮長会議でのこと＿＿＿＿＿＿＿

「オイ、なんでここに１年がいやがる」

柄の悪い３年生。それがレオナとAとの初めての出会いだった。

「ほぅ？じゃあ何だ。テメェが１年にして寮長になったっていうヤツか。

はっ。まぁ精々食われねえよう、逃げ足だけは鍛えとくことだな」

『ハハハ！鍛えずとも、怠け者のライオン程度ならすぐに逃げ出せるから心配は無用さ』

「あ？」

レオナはAの煽っているとしか思えない態度に腹を立てる。

「口には気を付けろよ１年坊。いくら秀才だろうがな、年上にはそれなりの経緯を持って接しろ。

NRC(ここ)じゃ、力を持ってるヤツが全てだからな」

『へぇ～……それは実に単純明快で良いじゃないか。

＿＿＿＿それじゃあ私が君に勝ったら、君は私の言うことには逆らえないということになるのだね！』

Aがそう言えばレオナは目を見開かせ、心底驚いたような顔になる。

「……は、はは……はははは！

テメェ、それ本気で言ってやがんのか？

この俺に、勝てるって言いてぇのか。笑わせるな」

レオナはそう言ってAの胸ぐらを掴んで顔を引き寄せ牙を剥き出しにして唸る。

『何なら勝負してみるかい？

私が勝ったら、君のその牙でももらおうか。

君が勝ったら、そうだな……購買の人気パンで手を打つよ』

「割に合わねえんだよバカ野郎。

……俺が勝ったら、テメェのその耳を頂く。

期限は卒業するまで。それまでにどっちかが一度でも魔法の勝負で勝ったら終いだ」

『もちろん、１対１での勝負だよね？不意打ちはアリかい？』

「１対１を守れば、何したっていい。

ま、ハンデってやつだ。すぐに決着がついちまったら、面白くねぇもんな？」

レオナはそう言って不適に笑う。

『ウフフ。サバンナのライオンは実に狡猾だね。

君のその自慢の牙を、ネックレスとして持ち歩く日が待ち遠しいよ』

Aもまた狂ったような目をしてそう言った。

その日から、２人の物騒でどーでもいい勝負が始まった。