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一方その頃。
昼前、『Trickstar』が秀越学園で指定されたレッスンをこなしている間、あんずと真緒、そして青葉は系列校の玲明学園へ来ていた。
「衣更くん、もう少しこっちに寄ってください。
さすがに辺鄙な秀越学園に比べて、この玲明学園のそばは人通りも多いですし。
あんまり通行人に見られて怪しまれたら、不審者だって勘違いされちゃいます」
「あぁ、ここって玲明学園か……そういえば姉貴に写真で見せてもらったなぁ？」
真緒は玲明学園の校舎を見上げてボソッと呟く。
「あれっ、衣更くんはいまいち俺たちの目的をわかってない感じですね」
「ええ。あんずには他の『頼み事』をされたけど……。
何となく秀越学園のレッスンに向かう気持ちにもなれなくて、ついてきただけなんで」
真緒は昨日、凪砂にこっぴどい言い方をされたのが酷く心に刺さったのか、一夜明けてからというものまだ元気はない様子だった。
「しかし玲明学園ってことは、『Eve』に用事なんスかね？
他に、ここに俺たちの知り合いっていないし……」
「はい。目的は『Eve』と接触すること。ううん、ちょっとした調査ってところでしょうか。
俺やAさんは凪砂くんとはそこそこ親しいですが、所詮はちがう学校ですしね。
今の彼のことや、『Adam』のことは……やっぱり、最も近しい『ユニット』である『Eve』のふたりに聞くのが早道でしょう」
「調査か……。敵を知り己を知れば百戦危うからず、ってやつですね」
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年3月7日 1時
