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『みんな?まだ旅館に戻ってなかったの?』
「Aさん!お待ちしていましたよ!
うちの事務所の方とのお話は済んだのでしょうか?」
七種がそう言うと、『Trickstar』の子たちが「え?」とAのほうに振り返る。
「なんでAちゃん先生がコズプロの人と話を?
今回のライブについて話してたの?」
『あ、えっと……』
「……違うよ。彼女はうちの……もとい、コズプロに移籍してもらうんだ」
凪砂がそう言うと、『Trickstar』の面々は哀しげな顔で驚いている。
『ま、待ってよ、まだそうと決まったわけじゃないからね?
そういう誘いがあったってだけで……』
「なんでAちゃん先生が……?」
「Aさんは芸能事務所間でも話題のニューホープですからね。
アマチュアから有名所の事務所がその実力を見込んで引き抜こうとしているんですよ。
確かに、リズリンも素晴らしい事務所ではありますが、そこだけではAさんの若く新しい才能を存分に発揮させるには遠回りですからね。
閣下とも親しいというお話でしたし、ぜひうちの事務所のプロデューサーになってほしいところです!」
七種にそう言われ、Aは気まずそうに『Trickstar』から目を逸らしてしまう。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2023年3月7日 1時