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『Adam』や今回のライブについて調べようとしていた矢先、『Adam』のリーダーである乱凪砂と遭遇してしまった真緒。
挨拶もそこそこに済ませ、現在、練習着に着替えさせられ、凪砂の目の前で歌って踊らされていた。
しかし、凪砂は踊っている真緒に目もくれず石を磨き続けている。
それに痺れを切らした真緒から凪砂に話しかけた。
「あの〜……。パフォーマンスしながら雑談するのって皆さんにとってはマナー違反なんでしょうけど、ちょっと質問とかしてもいいスかね」
「……いいよ。何？」
「気になるんですけど、その石みたいなの何ですか？
さっきから、ずっとそれを磨いてますよね……
凪砂さんが趣味で彫刻してる、石像か何かですか？」
「……わからない」
凪砂は石をジッと見つめながらそう呟く。
「……わからないから、面白い。古代の地層から発掘された、何か」
「個人的には、謎の石とかよりも俺らのほうを見てほしいんですけどね。
これから一緒に仕事をするんですから、互いを認め合って対等な仲間になりたいです。
もちろん対等だなんて烏滸がましいっていうか、世間的にはそっちが格上だって理解してるんですけど。
『Eden』は同年代ではトップですもんね」
「……そうなの？
……興味無いからわからないけど」
「そうですよ。『Eden』と共演できるだけで、俺らとしては名誉です。
あと恥ずかしい話、一方的に『SS』における最大の強敵だって思って意識してるんです。
自分の立場に甘んじて油断してると、寝首を掻いちゃいますよ？な〜んて……♪」
真緒のその言葉に、凪砂は少しの間黙り込んでしまった。
「うっ……。あの、すみません。ちょっと調子こきました」
「……いいけど。君は、ずいぶん哀しいことを言うね」
「か、哀しい？というと？」
「……英智くんみたいなことを言うな、って。
……あぁ君も、やっぱり夢ノ咲の子なんだね」
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年3月7日 1時
