【あんスタ】貴方の愛を求めます５【朔間零】 (ページ32)

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「あんずちゃんは、今回の『サマーライブ』をプロデュースしていない。

蚊帳の外に置かれているから、ほとんど断片的にしか情報を得ていないはずだよ。

それでも死ぬ気で、もっと積極的に関わっていれば……。

今、こうして当惑しながら舞台の下で、手をこまねかずに済んだのだろうけど」

英智の言葉があんずの頭に重く響く。

「天祥院くんは鬼畜じゃのう～……

かわゆい我が子を千尋の谷に突き落とすまでは良いのじゃが、そこに爆弾を投下するのは悪意か狂気を感じるぞい」

「ふふ。どんな獅子でも、谷底から這い上がるくらいのことはできる。

さらに絶望的な悲劇を味わいながらも華麗に生還するような、奇跡的な存在にこそ用があるんだよ」

英智の言葉には、零もAも納得の表情を浮かべている。

「のう、嬢ちゃんや……。天祥院くんが必要以上にいじめておるようじゃから、我輩はきついことを言いたくないんじゃが、ちぃっと、今回は失敗してしまったのう」

零がそう言えば、あんずは「えっ……」と困惑顔で振り返る。

「当惑しておるのう。我輩たちの言っているこの意味がわからんかや？

それこそ「失敗」しておるという証拠じゃよ、嬢ちゃん♪

謙虚は美徳じゃけど、嬢ちゃんは遠慮しすぎじゃのう」

零と英智から説教を受けているあんずを、Aは助け船を出すこともなく黙って聞いていた。