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「ただいま戻ったぞい〜」

『みんなまだ食べてるの?』


「やっと戻って来た朔間さん。

俺にガキども預けてどこ行ってたのさ……って、なんで二人してびしょ濡れなわけ?」








羽風が全身濡れている零とAを疑いの目で見てくる。







「なに、ちょっと我輩のドジで海に落ちただけじゃよ」

「まだ熱中症でふらついてるの?しっかりしてよね〜」

「すまんのう。このままじゃと我輩はともかくAの身体が冷えてしまう。

我輩達は着替えてくるとしようかのう」


『あ、私はいいよ。中、水着着てるから』








Aはそう言って上のジャージを脱いで水着姿になる。


それを見た瞬間、羽風は目を輝かせ、零は固まってしまう。









「そうそうっ、こういうのを求めてたんだよね!

その水着、すっごく似合ってるねAさん!」


「あら、やっとお披露目?

折角アタシが選んであげたのに誰にも見せないで終わるのかと思ったじゃない〜」








鳴上がAが水着姿になったのを見て、自慢げに話しだす。








「どう〜?アタシの見立てでは、やっぱり大人な雰囲気が先生にはあってるよ思うのよね〜

大人っぽいといえば、黒よね〜

それにレース付きだし可愛さもあって最高じゃない?」

『たしかに可愛いけど……私には大人っぽすぎない?』

「何言ってるの!すっごく似合ってるわよ〜!」








鳴上と話していると、ふと背後から影がさし、振り返ると同時に零に上着を被せられた。








『?』

「……着てろ」

『あ、うん』








零はそれだけ言うと、自分だけ海の家へ着替えにいってしまう。








「あら、どうしたのかしら?」

『……あれは怒ってる時の零ちゃんだな』








Aは被せられた上着を着て残りの時間を過ごした。

着替え終えた零が戻りAを見た時は、満足げな、そしてどこか安心したような顔になりいつも通りに話しかけてきた。








『ねぇ、なんでさっき怒ってたの?』

「我輩べつに怒ってないもん」

『ふぅん』








はぐらかすようにそう言うので、Aもそれ以上は追求することなく終わった。

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作者名:もぶピ | 作成日時:2023年1月6日 13時

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