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「Aちゃん先生、まだ残ってたんだ」
『生徒会長様直々に、『DDD』の企画運営の責任者にされたからねぇ。
『プロデュース科』の外部講師として来たはずなのに、英智くんに脅されて”ボランティア”って感じでこき使われるし。
生徒会のプロデューサーになったことが何でか噂で広まってて、おかげで他のアイドルの子たちが前よりも話しかけてくれなくなっちゃってさ。
ほんと、厄介事に巻き込まれるのは姉弟揃ってって感じがするよね』
溜まりに溜まっていた愚痴が、口からどんどんあふれ出てくる。
『そういう君たちは、二人っきりで練習?
いいね、青春って感じ。
でも、『Trickstar』はスバルくん以外はみんな、別の『ユニット』に移籍したんじゃなかったっけ?』
Aがそう言うと、明星とあんずは真っ直ぐな瞳でAを見つめた。
「みんなは絶対に戻ってくるって、俺は信じてる。
ううん……俺だけじゃない。あんずだって、俺たちを信じてくれてる。
希望の星は、まだ輝いてるから」
明星がそう言うと、Aの感情がぶわっとあふれだす。
それは昔、零がアイドルを目指すと決めた時にも感じたものだった。
そして、気付けばAは、明星とあんずの頭を撫で回していた。
「わわっ!ちょ、なになに!?」
「か、髪がボサボサに……」
『あっごめんね!ちょっと感極まっちゃってつい……
でも、よく言ったね。君たちの思いは、これからの運命を必ず良い方向に導いてくれる。
……決めた!お姉さんに、任せなさいっ!』
そう言うと、明星とあんずはキョトンとした顔つきでAを見つめていた。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年9月5日 1時