【あんスタ】貴方の愛を求めます【朔間零】 (ページ23)

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「どうしたの？いつもなら僕の頼み事は二つ返事で受け入れてくれるのに。

でもまぁ君が言うように、確かに放送部や生徒会の子たちでもできる。

でも、明日は特別なんだよ。

君が今まで培ってきた経験を活かすことで、明日は完璧な舞台になる」

天祥院がそう言った瞬間、Aの脳内では零と共に音楽プロデューサーの見習いとして活動してきた思い出が浮かび上がる。

音楽に関する職に就きたかったAは、アイドルとして活動する零を支えたいという思いと混ざり合い、音楽プロデューサーの道を目指した。

零もAの為ならと一緒に企画を考えたり、試行錯誤しながら楽曲を作成したりなど、大変なことも多かったが零にアドバイスをもらいながら、着実に成果を残していった。

零には返しても返しきれない恩がある。

それを踏みにじって天祥院に協力したことで、結果的に零やその仲間たちを傷つける結末になってしまったことに気づき、涙が止まらなくなってしまった。

「A？聞いてる？」

『私……もう無理……』

「無理？それはどういう＿＿＿＿＿＿＿」

一方的に電話を切り、噴水の縁を背もたれに力なく地面に座り込んだ。

『零ちゃんに……会いたいな……』

噴水から絶え間なく流れ出る水の音でかき消されてしまうほど小さな声で呟いたはずだった。

しかし、その言葉はしっかり届いていた。

「ここにいるぜ。呼んだか？」

顔を上げると、日差しで反射してハッキリとは見えなかったが、優しい笑みを浮かべた零が手を差し伸べていた。