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「知り合いか、藍良?」
「うん。って、おれなんかが『知り合い』だなんて烏滸がましいけど。
このひとは紫之創さん___『Ra*bits』っていう人気『ユニット』に所属してる、超すごい先輩だよォ?」
「ふふ。超すごくはないですよ〜、褒められて嬉しいですけど」
藍良と紫之は楽しげに笑い合いながら話をしている。
そんな時、紫之とAの目があった。
「あれ?貴方は……?聞いてた話では、白鳥くんたちだけだって聞いてたんですけど……
すみません。チケットはお持ちでしょうか?」
『あ、私、コズプロ副所長の名義で招待を受けてる、狩間Aなんですけど……』
「狩間さんですか……あ、はい。リストに名前があるのを確認しました」
そう言われAはホッと胸をなで下ろす。
「コズプロ副所長の知り合いだったのAさん!?」
『知り合い……ではないですね。会ったこともないので』
「えぇ!?謎すぎる……」
藍良は不思議そうにAを見つめる。
Aはそんな藍良を見て優しげに笑みを浮かべるだけだった。
そんな時、背後から軽薄な声がしてきた。
「し〜ののん♪」
「ふぇ?あれっ、明星せんぱ……
ぎゃああああ!?」
紫之が嬉しそうな顔をして振り返ったと思いきや、背後にいた人物を見て驚愕していた。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2021年12月13日 21時