笑顔の裏の裏の裏【ツイステ】 (ページ21)

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その夜、サバナクロー寮生たちは談話室に集まっていた。

「ラギー。お前、昼間ハーツラビュルの奴らに追い回されたんだってなァ？Aから粗方聞いたぜ。

だからあれほど証拠は残すなっつただろうが！間抜け！」

レオナがラギーを睨みつけながらそう言う後ろでは、Aがレオナの肩を揉んでいる。

「ち、違うんスよ。あれにはちょっと事情があって……

証拠を掴まれたわけじゃないから、そこは安心してほしいッス」

「……チッ。あのいけ好かないオクタヴィネルのタコ野郎に高い代償払って協力させたんだ。

当日しくじったらお前らをフライにして食ってやるから覚悟しとけ」

レオナの言葉に、寮生たちは息を呑んだ。

「メインディッシュの準備はバッチリ進んでるッス」

「当日は絶対ディアソムニアの連中をキャインと言わせてやります」

『ハッ、頼もしいこったで』

「よせA」

Aが小馬鹿にしたような笑みで小さく呟くと、レオナはそっとAを黙らせる。

「ああ、当日が楽しみッスねぇ。

ボロボロのマレウス・ドラコニアがレオナさんに跪く姿！きっと世界中がオレたちを称賛して……

ハイエナのオレにも一流企業からスカウトがくるかもしれないッス」

「プロリーグからも引っ張りだこかも！」

「はっ。まだ獲物が爪にかかった程度でおめでたいヤツらだな」

レオナは鼻で笑いながら浮かれている寮生達を見る。

「そしてレオナさんの人気もうなぎ登り！」

「夕焼けの草原の連中もレオナさんのほうが王に相応しいって思い直しますよ」

そう言えば、レオナの雰囲気が一変する。

「実力と血統は違うんだよ」

「えっ？」

「……なんでもねぇよ。

ふぁ～あ……俺はもう寝る。お前らも散れ」

レオナがそう言うと、寮生達は大人しく部屋へ帰っていった。

「この学園でてっぺんとった程度で全部覆るわけねぇだろ」

そう呟いたレオナをAはただ何も言わず見つめていた。