不本意な玉の輿２【ツイステ】 (ページ10)

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会場内に入れば、そこには良いとこのお嬢様たちがたくさんいた。

ここで王子が来るのを待っている様子で、周りの話し声がAの耳に入ってくる。

「第二王子のレオナ様ってどんな方なのかしら？」

「ナイトレイブンカレッジに通ってらっしゃるそうよ。

魔法も学力も相当なものですわよきっと」

「ファレナ王の弟君ですもの。きっとお顔立ちも良くてよ」

『(大体当たってんのが腹立つな……

まぁ、どうせこの人たちもあのワガママで自己中なところを見たら幻滅するに決まってるわ)』

壁にもたれかかりながらレオナを待つA。

周りは「なぜここにハイエナが？」と言いたげな目でAを見てくる。

Aが一瞬でも睨み付ければ、その目線は消えるが、また違う所からヒソヒソと聞こえてくる。

それがAにとっては不快でしかなかった。

『(貧乏人がそんなに物珍しいかよ。

これだからお金持ちは鼻につくんだよな。

香水臭えんだよ、どいつもこいつも)』

待ち時間をイライラしながら待っていると、ようやく王子がやってくる時間となった。

「夕焼けの草原、第二王子。レオナ王子の婚約パーティーにいらした皆様。

大変長らくお待たせいたしました。

王子のご登場です」

そう言われ扉の方に目線を向けると、そこにはいつもよりもきちんとした格好に立ち振る舞いのレオナが歩いてきた。

レオナの目鼻立ちの良さに、大半の女性が目をハートにする。

Aも、いつもと違う雰囲気のレオナに一瞬、目を奪われてしまっていた。