不本意な玉の輿２【ツイステ】 (ページ37)

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王宮を出たレオナとA。

レオナの手は依然Aの手を握ったままだ。

「……話が違ぇな。俺との婚約はしないんじゃなかったか？」

『気が変わったんです。……そういうことだってあるでしょう』

Aは頬を赤らめながらそう言う。

「ハッ。ようやく俺を選んだな。

随分遠回りしやがって」

『この道を選んだこと、後悔させないでくださいね』

「その気の強さはそのままなのかよ。ったく、良い女だな」

そう言うレオナは心底嬉しそうな表情だった。

そんな表情を見て、Aもつい顔がほころんでいた。

『で、私どこに連れて行かれるんですか？』

「実家にいたって兄貴がうるせぇだけだからな」

そう言うと、いつの間にか夕焼けの草原の街まで出てきていた。

「こっちだ」

レオナに連れて行かれるがまま歩いていると、街の外れまで出て水辺のような所までやってくる。

そこはとても静かで、水の流れる音と鳥の鳴く音が聞こえてくる穏やかな場所だった。

『ここは？』

「俺の所有地だ。ま、簡易リゾート地みてぇなもんだ。

今日はここで泊まって明日学園に帰る」

『すごい、とっても綺麗な場所……』

入口と思しきところの看板を見つめる。

『”ユペンディ”？この場所の名前ですか？』

「あ？あぁ……そういやそんな名前だったな。

元々、昔からここは浮かれた連中のたまり場だったらしい。

名前はその当時の時のままだ。誰が名付けたかは知らねぇ」

『へぇ……でも素敵な名前じゃないですか』

「お前が気に入ったんなら、ここはお前にやるよ」

『も、もらってもどうしようもできませんよ！

毎回思いますけど、貢ぎ方が雑なんです！』

「もらえるもんはもらっとけ。

どうせ俺と結婚したらお前のもんにもなるんだ」

そう言われ、Aは顔を真っ赤にして黙り込んだ。

『ほんとズルい……』

「おら、中入るぞ」