217……Ki ページ26
「気持ちよくなっちゃった？」
「ハァ…。全然、なってないもんっ。」
「んふふ、そっかー。」
「恥ずかしいから、やだっ。」
Aちゃんは俺の方に身体を向けて、ぎゅっと抱きついて紅くなった顔を隠してしまった。
こういう仕草がいちいち可愛くて、愛おしい。
Aちゃんはどんだけ俺を虜にすれば気が済むんだろう。
「明日の試験、応援してるね。」
「ありがとう。頑張ってくる。」
「遅くなっちゃうし、そろそろ送る。」
「電車で帰るつもりだから、大丈夫だよ。」
「送るくらい、平気だよ？」
そう返すと、Aちゃんは眉をハの字にして俺を見つめた。
「ん？どした？」
「最近宏くん、私のこと送るって言って、よく送ってくれるでしょ？」
「うん。やだった？」
「……うん。凄く嬉しいけど、私ひとりで帰れるよ？遅い時間ならちゃんとタクシー使うよ？」
「なんで？」
なんで急にそんなこと言うの？
Aちゃんにとって、迷惑だった？
「ひとりで出来ることで宏くんとつきあってること知られたくない。だから気を遣ってもらわなくて平気だよ。」
正直、返す言葉が見つからなかった。
俺はAちゃんへの思いやりに欠けて、少しずつAちゃんの優しさに甘え過ぎて、ずっとひとりで返しちゃっていたことを反省していたばかりだったのに……
Aちゃんは尚も俺のことを考えてくれていて、世間にバレることを避ける為に不必要な2人での外出を出来るだけ控えようとしてくれていたんだと知った。
一緒に出掛けたいだとか、手を繋いで歩きたいだとか自分の要求は一切せず、俺の仕事を否定することなくここまで寄り添って支えてくれるコと恋愛するのは、初めてかもしれない。
同じ業界のコと付き合ってる時も分かり合える立場なはずなのに、多忙な時に会いたいと言われたり、友だちに言いたい会わせたいとせがまれたり、無理なお願いをされて結局上手くいかなくなってって。
ましてやAちゃんは一般人で、この特殊な業界は全てが理解し難いことばかりなはずなのに……。
そんなことを考えると堪らなくなって、Aちゃんを力いっぱい抱きしめた。
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にかみつば(プロフ) - ユルさん» 初めまして。この小説の続きへ、のことでしょうか？途中で話が浮かばなくなり連載が止まってしまうのが嫌で書き溜めています。その為この表示は消すことは出来ず非公開と表示されます。ご迷惑をお掛けしてしまいごめんなさい。毎回読んで下さりありがとうございます。 (2020年12月6日 23時) (
レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
ユル(プロフ) - 毎回、この続きになってるのって直せないんですか？？ (2020年12月6日 22時) (レス) id: 61516ddbf3 (このIDを非表示/違反報告)
このみ - このみ (2020年11月11日 8時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - azazさん» こちらこそありがとうございます☆ (2020年11月1日 23時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
azaz(プロフ) - お返事ありがとうございます☆ (2020年11月1日 22時) (レス) id: 793aa0ec34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にかみつば
| 作成日時：2020年9月16日 9時
