202……Ki ページ11
「美味そーっ。いただきまーす！」
「はーい、いっぱい食べてね。」
大葉とチーズのロールとんかつをでっかく開けた口に放り込むと、柔らかい肉にチーズが蕩けて最高だった。
「めちゃくちゃ美味い！ビールに合うわー。」
「ふふっ、それならよかったぁ。」
「めっちゃサクサクだね。」
今日も無意識に口いっぱいに詰め込んでる俺を見て、Aちゃんはクスクスと笑いながらトマトのマリネを口にしていた。
「Aちゃん。ご飯食べ終わったらソファーでちょっとお話ししよう。」
「うん、いいよー。」
・
夕食を食べ終え、酒とつまみをローテーブルに移動させてAちゃんとソファーに並んで座った。
「ねえ、Aちゃん。なかなか話せないでいたんだけどね、この間深夜のバラエティー番組の収録があったの。」
「うん。」
「その、前にAちゃんのこと泣かせちゃったやつでさ……。」
「う、うん。」
「また同じようなテーマがきてさ。フリで実際はしてないんだけど、キスする場面があったから、前以てAちゃんに話しておこうと思って。」
「そうなんだ。それって、いつ放送……？」
「多分、今日……？」
「今日……」
「すぐに言えなくてごめんね、Aちゃん。」
確実に今日放送なのに、少しでも誤魔化そうとする気持ちがでちゃって、情けねぇ。
それを聞いたAちゃんは何も言わなくなってしまい、徐々に不安に襲われる。
「Aちゃん。おいで。」
俯いてしまったAちゃんの表情が見えなくて不安で、隣に座るAちゃんの脇の下に手を差し入れ、自分の膝の上に向かい合うように座らせた。
「……Aちゃん？」
「私、観る。」
「………え。」
「宏くんと一緒に、観るっ。」
「ほ…本気で言ってる？」
「うん、言ってる。」
想定外の言葉に動揺が隠せないでいる俺には気づくことなく、Aちゃんは続けた。
「本当は観たくないけど、凄いことしてるのに知らないままなのも、なんだか嫌だなって思って……。」
そういうモノ？
今夜一緒に観るとか気まずくて恐怖でしかないんですけど。
どうするよ。
こうなりゃ、Aちゃんのこと酔わせちゃうか……？
なんだかこの空気に耐えられなくなった俺は、Aちゃんをそっと抱きしめた。
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にかみつば(プロフ) - ユルさん» 初めまして。この小説の続きへ、のことでしょうか？途中で話が浮かばなくなり連載が止まってしまうのが嫌で書き溜めています。その為この表示は消すことは出来ず非公開と表示されます。ご迷惑をお掛けしてしまいごめんなさい。毎回読んで下さりありがとうございます。 (2020年12月6日 23時) (
レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
ユル(プロフ) - 毎回、この続きになってるのって直せないんですか？？ (2020年12月6日 22時) (レス) id: 61516ddbf3 (このIDを非表示/違反報告)
このみ - このみ (2020年11月11日 8時) (レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - azazさん» こちらこそありがとうございます☆ (2020年11月1日 23時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
azaz(プロフ) - お返事ありがとうございます☆ (2020年11月1日 22時) (レス) id: 793aa0ec34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にかみつば
| 作成日時：2020年9月16日 9時
