67…T ページ18
「私っ、ママがパパを愛してないなら私がパパを愛してあげるって思って……私はずっとパパだけを好きだったよ！パパの役に立ちたくて料理も洗濯も全部覚えたんだもんっ！」
「ご…ごめんっ、Aちゃん。」
「本気の恋を知らないなんて決めつけないでよ！パパへの気持ちは小4の時からずっと変わらないんだから！年齢なんて関係ないもん！そんなこと言ったらすぐ浮気してたママの方がよっぽど本気の恋を知らないじゃん！」
「うん、ごめん、Aちゃん。パパが間違ってたね。Aちゃんがそこまで想ってくれてたなんて知らなくて、ごめんね。」
「パパの馬鹿っ……」
Aちゃんは俺の肩に額をくっ付けて、腕に縋って泣いた。
あぁ、またAちゃんを泣かせちゃった。
身体を向き合わせて反対の手でAちゃんの頭を撫でると、そのまま俺の胸に額を寄せながら俺の背中の服をぎゅっと握りしめた。
Aちゃんは小4の時にママの気持ちが俺になかったことを知ってしまっていたんだね……。
辛かったよね。
きっと不安にもなったよね。
ママを失ったばかりのあんな小さかった頃からずーっと俺のことを想って、一生懸命俺を愛してきてくれたんだね。
Aちゃんが色んな人と出会って、想い想われ、本気の恋を知るはずの時期を、俺が奪ってしまってたんだと痛切に感じた。
そして、こんなにもピュアに一途に想われる恋があることを、Aちゃんが教えてくれた。
他に愛している男がいる妻からは当然愛してもらえず、孤独や嫌悪と闘いながら目を瞑り過ごした2年間が、今のAちゃんの言葉で報われ、スーッと消えて晴れていくような感覚がした。
「Aちゃんのお蔭であの苦しかった日々は無駄じゃなかったんだって、たった今思えたよ……。ありがとね……。」
もう、最悪。
また泣きそう。
「Aちゃん。パパのこと子どもみたいって言わないでね。」
「え……？」
意味がわからないAちゃんは泣き顔のまま顔をあげて俺を見つめた。
「また泣いてる。」
「だから泣いてない。」
「ふふっ、強がり、負けず嫌いっ。泣き虫で子どもみたい！」
「……ひどっ。増えてるし。」
俺はシャツの袖で涙をゴシゴシ擦って、Aちゃんの頬の涙は優しく拭ってあげた。
「パパ……。」
「なあに？」
「私はどんなパパも大好きだよ。」
「ありがとう。パパも昔も今も変わらずAちゃんのこと、大好きだよ。」
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にかみつば(プロフ) - ゆいさん» 初めまして。読んで下さりありがとうございます！この作者の作品を全表示を見るとでてきます。あとはR18指定なので年齢が引っかかってる場合もあるのかもしれません。 (2021年1月4日 18時) (
レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 初めまして！にかみつばさんの作品が大好きでよく読んでいます！続編を見たいのですがどこを見ても出てこないです！どうすれば見れますか？ (2021年1月4日 17時) (レス) id: f23e39d144 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 初めまして！にかみつばさんの作品が大好きでよく読んでいます！続編を見たいのですがどこを見ても出てこないです！どうすれば見れますか？ (2021年1月4日 17時) (レス) id: f23e39d144 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - かなこさん» はじめまして！コメントありがとうございます☆癒しだったなんて、嬉しすぎます！いつも読んでくださってありがとうございました！ (2020年11月14日 23時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - はじめまして。毎日この作品を見るのがわたしの癒しになってました！パパな裕太くん最高でした！幼い頃の話、楽しみにしてます。 (2020年11月14日 23時) (レス) id: ea3b09b98d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にかみつば
| 作成日時：2020年10月16日 22時
