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涙しながらも、それでもただじっとパパのことを見つめて答えてくれるのを待っていると、そっと頬に触れた親指で零れる涙を拭ってくれた。
そして私の瞳を真っ直ぐ見つめながら、パパは言った。
「Aちゃんを産んでくれたのはママだから、ママがくれた幸せ、だよ。」
「そんなのっ……」
そんなの、ママがくれた幸せなんかじゃないじゃん！
ママから愛されて感じる幸せ、じゃないじゃん！
そんなの全然違うよっ……。
パパはママが浮気してたことを、知ってたの？
知りながらもママと別れずに結婚したままでいたの？
どうして、パパ。
なんでそんなにママがいいのか教えてよ……
私は一生、ママには敵わないの……？
「パパは知ってたんだね……ママに他に男の人がいたこと。」
「うん、知ってたよ。」
「いつから……？」
「結婚して半年くらいかな。目撃しちゃったからね、パパ。」
パパはそう言うと、哀しそうに潤ませた瞳を伏せた。
そんなパパの表情を見たら、余計悲しくなってしまった。
「パパっ……」
思わず椅子から立ち上がって、今度は私がパパのことをぎゅーって力いっぱい抱きしめてあげた。
パパはママから愛されてないことを知っていた。
自分ではない好きな人がいるのを知りながらもママと別れず私の傍にいてくれて、いっぱいの愛情を注いでくれていたんだと、この時初めて気づいた。
「他のパパは別れたのに、どうしてパパは別れなかったの？それでもママが好きだったの……？」
「ごめんね、Aちゃん。」
「なんで謝るの……？」
「Aちゃんのママのこと悪く言いたくないから……。でも正直に言うと、ママへの気持ちは殆どなかったかな。ほんとAちゃんへの愛だけ。Aちゃんが俺の生き甲斐だったよ。」
私の存在が……？
血の繋がりもないのに……？
「Aちゃんの父親は一生俺だ……って。誰にも渡さないって思ってたから、離婚なんて考えたことないよ。Aちゃんと離れ離れになっちゃうからね。」
「私っ……めちゃくちゃパパから愛されてるね……。」
「当たり前でしょ。Aちゃんはいくつになっても、パパの大事な可愛い娘だもん。」
小さい時からパパから愛されていることはちゃんと感じていたけれど、私ってこんなにも愛されていたんだね。
私、パパの娘になれて幸せだね。
これ以上望んだら、バチが当たるかな……。
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にかみつば(プロフ) - ゆいさん» 初めまして。読んで下さりありがとうございます！この作者の作品を全表示を見るとでてきます。あとはR18指定なので年齢が引っかかってる場合もあるのかもしれません。 (2021年1月4日 18時) (
レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 初めまして！にかみつばさんの作品が大好きでよく読んでいます！続編を見たいのですがどこを見ても出てこないです！どうすれば見れますか？ (2021年1月4日 17時) (レス) id: f23e39d144 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 初めまして！にかみつばさんの作品が大好きでよく読んでいます！続編を見たいのですがどこを見ても出てこないです！どうすれば見れますか？ (2021年1月4日 17時) (レス) id: f23e39d144 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - かなこさん» はじめまして！コメントありがとうございます☆癒しだったなんて、嬉しすぎます！いつも読んでくださってありがとうございました！ (2020年11月14日 23時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ(プロフ) - はじめまして。毎日この作品を見るのがわたしの癒しになってました！パパな裕太くん最高でした！幼い頃の話、楽しみにしてます。 (2020年11月14日 23時) (レス) id: ea3b09b98d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にかみつば
| 作成日時：2020年10月16日 22時
