episode 15 ページ16
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先輩は、静かに俺の話を聞いてくれている。
「先輩は言いました。自分を救ってくれたのは俺だって。でも、俺にはそんなことどうでも良かった。」
『………』
「ただ、あんたが俺のほうを向いてくれればいいと思っただけだった。」
あの時、弱っていた先輩に声をかけたのは、先輩のためじゃなくて俺のため。
先輩にとって、モデルをやめて一般人にもどることが幸せになれる唯一の方法だと知りながら、俺は引き留めた。
全ては、自分のために。
「俺は、一瞬でも貴女の恋人になれて嬉しかったですよ。」
『……あっ……!』
全てを理解したかのように、先輩は口に手を当てていた。
驚いた顔をして、
申し訳なさそうな顔をして。
『い、ずみく…ん、ごめんなさい……っ!』
らしくもなく、涙を隠そうともしないで。
「先輩、好きです。」
俺の恋は、
何もかも遅すぎた。
全てを嘘に隠して、中途半端に愛を語っていた。
全ては、あの約束のせい。
なんて、全部彼女のせいにして。
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アザレアを持ったねこ(プロフ) - 面白いですね!私もKnights好きです!箱推しじゃないんですけど…でもみんな好きです!良ければお友達に…|´-`)チラッ (2018年1月20日 4時) (レス) id: b01fa5b414 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御苑 | 作成日時:2018年1月18日 20時