三十二話 ページ35
吹き飛ばされた人虎は姐さんの異能､金色夜叉によって柱に留められた
紅「悪いのう童 これも仕事でな」
鏡「やめて！」
…こんなに帰ろうとしないとはね
紅「嗚呼 その表情！ 愛いのう 何でも聞いて遣りたくなる しかし済まんの 鴎外殿の命はこの小僧の始末でな」
「人虎だけじゃ無い 首領は探偵社員悉くの鏖殺を望んでいる 簡単に云えば､戦争ね 既に全幹部が動き出している」
紅「しかし私はそなたの助命を嘆願し 特別に赦された 戻るのじゃ鏡花 そなたは闇の花 闇の中でしか憩えぬ」
鏡「違う 私は闇の花じゃない」
紅「…恨むぞ小僧 あの子は光に目が眩んでおる 貴様が見せた光じゃ しかし幸い まだ手はある」
ｼﾞｬｷｯ
私は人虎の頸に剣を突き付けた
「彼の居ない探偵社はとても居ずらいでしょう 貴女の所為で殺されたとあっては尚更ね」
鏡「待って 判った …戻ります だから」
紅「凡てそなたの為じゃ鏡花 孰れ判る時が来る」
金色夜叉が刀を抜いたから､私も剣をおさめた
鏡花は光に居たいのね＿
なら､救ってもらわないとね
救ってあげられるのは､人虎しか居ない
なのに人虎は､悔しそうにしたまま動かない
ﾎﾞｿｯ「悔しいなら動けばいいのに」
虎「！」
聞こえていた様で人虎は目を見開いた
そして姐さんに鏡花が寄りかかった
！
「鏡花…そんなに光がいいの？」
鏡花は､姐さんに短刀を刺そうとしていた
紅「流石じゃ…鏡花 まるで殺気を…感じなんだ」
鏡花は姐さんの携帯を持っていた
鏡「明るい世界を見た 知らなかった頃にはもう戻れない」
紅「…それを使うな 鏡花 使えば そなたは」
鏡「夜叉白雪 私の敵を倒して」
震えていた鏡花は夜叉白雪を使った
姐さんの金色夜叉と鏡花の夜叉白雪がぶつかった
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作者名：薊 | 作成日時：2018年4月1日 21時
