攻防戦 ページ34
「水城さん、頼みたいことがあるんですが」
「…………お前、また勝手にひとりで動いただろォ」
「…………………………………。」
「黙っとけばいいって訳じゃないんだからね！？」
騒ぎ始めた水城さんは放置の方向で問題ない
ただ、なんでバレたのか
「お前が頼みごとするのは、勝手に動いてなんか掴んだときだけだからだよ！！」
「ずいぶん今日は冴えてますね」
「お前が馬鹿にしてるだけで、俺はちゃんとデキる刑事なの！！」
「へえ」
別に馬鹿にしては居ないんだが
"ほら また！馬鹿にして！"とかうるさく騒ぎ出すから まあ、無視する
ヘッドフォンを着けたAが、不思議そうに首をかしげた
「で？今回は何よ、ワガママ王子」
「この階の防犯カメラの映像を 入手してもらえませんか」
「えぇ〰️…………」
「お願いしますよ。こわがりおじさん」
「おじさんとか言うのやめてくれる！？」
そっちは黙って受け入れるだろ
そもそも、普段自分でおじさんと言ってるし
「ねえ〰️神谷ァ。やっぱり俺っておじさんかなァ」
「早くカメラの映像を寄越してください」
「先に俺の話聞いてもいいじゃ〰️ん」
「くねくねしたおじさんの相談なんて、ただただ気持ち悪いだけでしょうが」
「ひっどい！！！」
突っ伏してぐずぐず言い出した水城さん
俺は防犯カメラの映像を見たいだけなんだが
まずはこれを何とかしないと駄目なのか
「わかりましたよ。聞きますから」
「どうせ気持ち悪いんでしょ！！」
面倒臭えなぁ
と思っているうちに、不穏な空気を察したAが、ヘッドフォンをトントン叩く
「外していいですか？」
長い睫毛に縁取られた目が俺の口許をじっと見つめる
返事を待っているんだろうが、返事の代わりに手を伸ばした
「あ、自分で取れますよ…………」
「まぁ、良いじゃないですか」
乱れた髪を直すのまでセットで、実は気に入ってる行為だ
俺の指が髪に触れるとやっぱり目を細めるA
「なんか、水城さん、どうかしたんですか」
「机と一体化する気なんじゃないですか」
「お前が気持ち悪いって言うからだろォ！？」
ガバッと起き上がりシャウトした水城さん
ぱちりと数度瞬くと、Aの目がじとりと向けられた
「…………………神谷さん」
怒られた
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はむ(プロフ) - 涼嶺さん» うれしいコメントありがとうございます！ラストスパート頑張りますね！お話も終盤で暗めですが、後もう少し付き合ってもらえるとうれしいです(^^) (2019年10月20日 1時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
涼嶺(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いてます！これからも頑張ってください！ (2019年10月20日 0時) (レス) id: 9bbe7fe112 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます！ (2019年10月11日 7時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 後戻りができないの話、誤字がありました。「それはだけは」ではなく、「それだけは」です。 (2019年10月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！助かります！ (2019年10月3日 17時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年9月16日 0時
