番外編:癒し ページ29
「うそ！？ミルフィーユが！ほ、ホヤに！」
「パッタイの怨念のなせる技ですね」
「ヒィィィィイ！こっわい！呪いじゃない！？」
騒ぎ立てる水城さんと、胡散臭そうに俺を見つめる名字A
とりあえず、水城さんに気づかれなければいいだろう
ひとくちでも食べれたので満足だ
「あ、あの………な、なんか、お腹、いっぱいになってきちゃったな〰️」
「ぇえ！？Aちゃん！具合悪いの！？
頭痛い？寝不足？
もしかして、今日お腹の調子悪かったァ！？」
何気に失礼な水城さん
名字Aの食い意地が張りまくっているのを、水城さんにも把握されていたとは
しかし、明らかに食べられる量なのに、彼女はいったいどうしたんだ
「神谷さん、食べかけとか嫌ですか？」
恐る恐るといった感じで見上げられる
三度の飯より食べることが好きな名字Aが、俺に、絶品スイーツを分け与えようとするとは
不覚にも呆気に取られて言葉が出ない
「Aちゃん、神谷は甘いの好きじゃないのよ〰️」
「あ、そ、そうですかね………？」
ちょっと目線を下げる彼女
がっかりしているのかほっとして居るのか、何ともよく分からないが
スイッチの発動がないときに 俺に気を遣ってくれているのが何とも言えないくすぐったさを感じさせた
「いえ、ありがたくいただきます」
「お前、無理しないでもいいんだよ？」
「俺、実は甘党なんで」
「ぇえ！？そうなの！？早く言ってよ〰️」
水城さんが言うまでもなく決めつけていただけだが、
「ホヤも鰹も旨かったので」
「そうなの！？なら、まあいいや！お前が喜ぶのが一番だからなァ！」
ガハハと豪快に笑う水城さんは、なぜか上機嫌だった
彼女と水城さんに感謝しながら、本場のフランスに思いを馳せる
やっぱり退院したら足を運ぼう
ここのスイーツの素晴らしさは筆舌に尽くしがたい
堪能していたらこそっと名字Aが耳打ちした
「水城さんからミルフィーユもらっちゃうなんて、意外と子供っぽいことするんですね」
からかっては居るくせにニコニコうれしそうな名字A
「あなたは子供そのものですけどね」
口許についたクリームを拭ってやる
この甘味はアーモンドプラリネだな
顔を真っ赤に染めながらあわあわ慌てる彼女に、思わず口角が上がってしまう
そんな俺たちの様子を、水城さんがニヤニヤ眺めていたのは全く気づかなかったけれど
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はむ(プロフ) - 涼嶺さん» うれしいコメントありがとうございます！ラストスパート頑張りますね！お話も終盤で暗めですが、後もう少し付き合ってもらえるとうれしいです(^^) (2019年10月20日 1時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
涼嶺(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いてます！これからも頑張ってください！ (2019年10月20日 0時) (レス) id: 9bbe7fe112 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます！ (2019年10月11日 7時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 後戻りができないの話、誤字がありました。「それはだけは」ではなく、「それだけは」です。 (2019年10月4日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！助かります！ (2019年10月3日 17時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2019年9月16日 0時
