告げる ページ22
「ありがとうございます！今日もいっぱい話を聞いてもらっちゃって」
「いえ。私で良ければ」
藤代さんはよく話す
たいてい神谷さんが水城さんと面談室に行っている間に来て、ひとしきり話すと帰っていく
捜査の話に加わらなくていいのかと、一度行き先を伝えてみたけど"そうなんっすね〰️"の一言で終わった
いったい何をしに来てるのか
「もしかして、事件のことで協力できることがありましたか？」
グッと一瞬息が詰まるけど、必要ならば仕方ない
「え？それはもう十分ですよ！この間全部話してくれたでしょ？」
「はあ…………」
じゃあなんで、来るんだろう
いよいよわからなくなってきた
「神谷さんと付き合ってるんですよね…………」
「いえ。そんな事実はありませんけど」
向こうが勝手に言ってるだけだし
そもそも、本気かどうかだって怪しいんだから
「言おうかどうか迷ってたんですけど、俺、Aさんのこと…………」
藤代さんが急に距離を詰める
「ずっと、かわいいって思ってて…………」
「あ、ありがとうございます」
伸びてきた手を押し留めた
「あんまり言われ慣れてないんで、…………お世辞だとしてもうれしいです」
こういうときは営業スマイルだ
愛や恋はまだダメだ
私はまだあれを引きずっている
「Aさん。言い付けを破りましたね」
「え…………あ、神谷さん…………」
トントンと扉を叩く音
病室の入り口に神谷さんが佇んでいた
神谷さんが戻ってきたことににホッとしている自分が居る
「藤代、お前、何してんの…………」
「水城さんに置いてかれて暇だったんですよ〰️
二人して除け者にして酷くないっすか！？」
「神谷と話すと仕事になっちまうからなァ〰️。休憩は休憩で取らせてやろうと思ってたんだよ。
次は誘う！安心しろ〰️〰️？」
二人が出ていくのを見送りながら、胸のなかに違和感がひとつ残った
病室は一転静寂に包まれる
神谷さんは睨むようにドアを見つめたまま
「あの、横にならないんですか？」
「あいつに何を聞かれました？」
「特には、なにも…………」
私は基本、聞き手だったし
聞かれたのは、付き合ってるかどうかくらいだけど、わざわざ言うことでもないし
「事件については？」
「以前お話ししたことでもう十分だと…………」
「なら、なんであいつが来るんだ…………」
「それは私も解りかねます」
それから神谷さんは黙ったまま
なにか考えて居るようだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 574人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はむ(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！ (2019年8月31日 9時) (
レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「大を占めるが」ではなく、「大部分を占めるが」です。 (2019年8月30日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「ベッドの上での再開」ではなく、「ベッドの上での再会」です。 (2019年8月30日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - ななみさん» ななみさん 応援コメントありがとうございます！うれしいです！更新続けられるようにがんばりますね(^^) (2019年8月28日 11時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
ななみ - はむさん！頑張ってください！ 応援しています！ (2019年8月27日 23時) (レス) id: 3f5cfa4750 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はむ | 作成日時：2019年8月22日 23時
