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「お前は誰にも必要とされてないもんな。
友達もいない。言い寄る男もいない。実の親にすら捨てられてなぁ。
お前を人として大事にするやつなんてどこにも居ないんだよ。」
競り上がってくるものを感じる
だめ
心を動かしちゃだめ
「親父が金をかけて 会社に役に立つ道具に育ててやった。
道具としてなら需要があるんだ。
親父のお陰で ようやくお前は必要とされる存在になれたんだぞ?…………親父を困らせるな」
「…………は…い…………」
声を出すのがやっとだ
「相良だってなぁ、口ではお前を大事とか言ってても、所詮は会社存続のための道具としてだ。
…………いや、自分のプライドを守るための道具かな」
ニタリと笑った兄が持ち出したのは ボイスレコーダー
かちりと 無機質な音が
部屋に響く
『社長…………もう会社は諦めましょう。相良は彼女を落とせなかったみたいで。…………もうこれ以上傷抉んないでやってください』
『おいサトシぃ…………俺は落とせねぇとは言ってねぇぜ?』
『…………相良』
『見てろ…………今に見てろよ?
そのうち俺は、お前に、骨抜きになったあの女を、紹介してやるからよォ…………!!』
コノコエハ
ダレ
ココロガ
オカシクナリソウ
「すげえ顔だな。もう一回聞くか?」
足元から崩れ落ちる感覚
頬に冷たいものが伝う
「道具風情が一丁前に人間になろうとするからそんな目に遭うんだよ」
もう
なにも
考えられない
「親父、この勘違い女が二度と道をはき違えないように 立場を分からせてやってくるよ」
「跡は付けるな。道具としての価値すらなくなる」
兄に引きずられながら 別室に連れ込まれる
感情を持つことが これほど辛いものとは
相良さんと出会って
初めて 痛感した
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はむ(プロフ) - 蛇姫さん» 蛇姫さま 2回目のコメントありがとうございます!スッゴくうれしいです!鬱展開でもお付き合いくださってありがとうございます!ゆっくりですががんばりますね(*^^*) (2019年3月27日 1時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
蛇姫(プロフ) - 作品読ませてもらってます。心が温まります!相良さんの優しい雰囲気がすごく好きです。作者さんのペースで更新頑張ってください!応援してます (2019年3月25日 11時) (レス) id: c00677cd65 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 青菜さん» 青菜さま うれしいです!私もいただいたコメント何度も読み返してしまいました!ゆっくり更新で申し訳ないですが、これからもよろしくお願いします!! (2019年3月3日 15時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
青菜 - めちゃくちゃ好きで何度も最初から読み直してます。更新大変だと思いますが頑張ってください! (2019年3月2日 23時) (レス) id: dec0cd6493 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - 蛇姫さん» 蛇姫さま 楽しみにしていただけてうれしいです!なかなか今回は書くのが進まないので、コメントすごくありがたいです! (2019年2月27日 23時) (レス) id: 62ba10663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はむ | 作成日時:2019年2月16日 21時