狂犬の花嫁【今日から俺は】

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「セキュリティ」


「へい！」



声を張り上げなくても 忠実な野郎共は仕事が速い



特殊な器具で盗聴器や盗撮機器の捜索を始める

各々の持ち場をチェックする野郎共ひとりひとりに

不審な点はないかくまなく見据えた




「並べ」




俺の城は20人の精鋭で構成されている

これ以上は管理が難しい


ひとりひとり いつもと変わりないか目ぇ光らせて見定めた







野郎共は家族みてえなもんだ

俺なりに信頼はしている



だがな、上に立つ立場になれば いつ足元を掬われるかわからねえのがこの世界だ

俺の親父がそうだったみてえになァ





「室長。何かあったんですか？」


「…………俺のデスクにメモがあった。心当たりあるヤツは？」


「自分！始めに来ました！室長が来るまでデスクに近づいたヤツは居ません！」




研究室に入るには社員証とパスが必要だ

野郎共が不在の間入れるヤツは限られる



しかしなァ……………




盗聴器や盗撮機器の類いはなかったが それでも侵入者がいた

危ねえことがわかったからな

………………入り口のセキュリティ 改造するか




「みんな！背筋を伸ばせぇ！室長からのご褒美タイム！」


あ？

おい、何の話だ………

野郎共の筆頭 今井の声に着いていけねえ俺



「恐れながら！政略結婚後！室長からのご褒美が減っております！なので我々自ら！志願することとさせていただきましたぁあ！」



「全員！右頬！出せ！」



………………はぁあ！？

真面目に考え事してたのによォ…………



「さあ！室長 一発ずつ！お願いします！」


「片桐部長の時みてえに容赦なく！」


「手ぇ抜くようでしたら謀反企てますぜ！」



こいつら…………何があったんだ………………



一発ずつビンタを受けて「ありがたき幸せ！！」とか言ってる野郎共に

頭抱えたくなる気分だぜぇ…………







俺は



部下の育て方を間違えたんだな




ある意味裏切らなさそうだけどよォ








「出てくる。研究員以外入れんじゃあねえぞ」


悦に入ってる野郎共を背に 俺は警備室へ行くことにした

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