ひみつな恋 ⑥ (ページ44)

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私がしていることは、全国に何十万といるファンの人たちを裏切る行為なんだと思い知らされる。

恋愛が許されないアイドルの彼と付き合っているという意識が私には全く足りていなかったんだと痛いほど感じた。

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アンコールも全てが終わって、再び会場がライトに照らされ暫くすると、男性スタッフの方が私たちの元へそっと来る。

「楽屋へ案内するように言われてますので、今から着いてきてもらえますか？」

「あ、はい。ありがとうございます。」

スタッフさんの声を聞いた紫さんは、私にこっそり耳打ちした。

「Aちゃん。彼に会えるの楽しみだね？」

「あ……うん。」

「久しぶりにみんなと会うから、私もドキドキしちゃう。」

「私も緊張しちゃって……どうしよう。」

事前に宏くんからライブ終了後に紫さんと一緒でいいから楽屋に来て欲しいと言われていた。

紫さんは太ちゃんや久しぶりにメンバーに会えるからか、いつもより声が弾んでる。

私たちはスタッフの方に連れられ、宏くんたちのいる楽屋へ向かった。

終演後のステージ裏では夥しい数のスタッフの方たちが動き回っていて、驚きを隠せなかった。

7人の後ろに存在する、何十何百という数の人たちを目の当たりにして足が震えて、楽屋なんかに行かずこのまま帰ってしまいたい衝動に駆られる。

「こちらの扉の中にいますので、どうぞ。」

「わざわざありがとうございました。」

その方は私たちに一礼すると、すぐにその場を後にした。

「緊張しちゃう……。」

「大丈夫だよ、Aちゃん。みんな優しいから。」

「私……一度に全員と会うのも初めてだからどきどきしちゃう。」

「私もいるし大丈夫よ、Aちゃん。」

「紫さん、ありがとう……。」

楽屋の扉を3回ノックすると中から扉が開いて、目の前にニカちゃんが現れた。

「やっぱりAちゃんだぁ！」

「ニカちゃんっ……」

「あ、ガヤさんの……。お久しぶりです。」

「久しぶり、二階堂くん。」

「入って、入ってー。」

ニカちゃんに招かれ楽屋の中に入れてもらうと、ライブ後とは思えないほどキラキラした笑顔のみんながいた。