ひみつな恋 ⑥ (ページ22)

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「メッセージ読んだんだけど、Aちゃん短期のバイト始めるの？」

「うん。学校も今までみたく毎日行かなくて済むし、今のうちにバイトしてお金貯めたいなぁって思ってたの。」

Aちゃんから届いたメッセージを開いてみるとバイトを始めるとかあって、びっくりしすぎて思わず電話をしてしまった。

「いつから？」

「再来週からだよ。」

「今度はなんのバイトにしたの？」

「家庭教師。」

「家庭教師っ！？」

「うん。中3の受験生のコに勉強教えるの。」

バイト始めるってことだけでもびっくりしたのに、短期のバイトがまさかの家庭教師！？

Aちゃんから放たれる強烈なパワーワードに完全に打ちのめされた。

欲しいものがあるならお小遣いあげるのに、Aちゃんは絶対貰ってくれないしなぁ。

バイトして会えなくなるくらいなら、そうしてもらいたいのに……

「家庭教師って、夕方とか夜からでしょ？」

「うん、そうだよ。」

「終わったら、会える？」

「やってみないとわからないけど、多分会えると思うよ。」

多分かぁ……

「ねぇ、Aちゃん。来週からツアーが始まるんだけどさぁ……ライブは観に来られそう？」

「ライブ……？」

「うん。まだ無理そう？久しぶりに俺の地元でもやるから、その時Aちゃん来られないかなーって。」

「えっ、と……少し考えてみる……。」

「ん、いいよ。別に無理しなくていいからね。」

「うん。」

もしAちゃんがライブを観にくることが出来なくても、せっかくだし一緒に実家には行きたいな。

「今週のどっかで会えるかなぁ。」

「んー。宏くんも忙しいもんね。」

「Aちゃんが都合いい日あったら来ててね。」

「うん、わかった。」

「じゃあ、そろそろ仕事戻るね。」

「うん、頑張ってね。」

Aちゃんと電話を終えた俺は元の場所に戻って、もう一度台本に目を通した。