256……F ページ16
先日、初めてAちゃんからお誘いの連絡をもらった俺は、久しぶりに会う約束をした。
その日に合わせてベルをうちに連れてくると、ベルは嬉しそうに尻尾を振ってずっと俺の後を追っ掛けていた。
「ベル。今日はAちゃんとお散歩だから、いいコにするんだぞー。」
わんっ。
「ふふ。お返事出来るなんていいコだ。」
その日は俺は夕方からの仕事で、Aちゃんは午前中は学校らしく、お台場の大きな公園で待ち合わせをすることになった。
こういう場所で待ち合わせをして人と会うことって滅多にないから、なんだかわくわくしてしまう。
「こんにちはっ。」
「Aちゃん、久しぶりだね。」
現れたAちゃんは、スキニーパンツにハイカットのスニーカーを合わせた散歩スタイルで、ヒールがないせいでいつもよりだいぶ小さかった。
「わあ！ベルちゃん、可愛いーっ。」
「ふふ、小さいでしょ。」
「うん。太ちゃんの手の中にすっぽりおさまっちゃってる。」
「まだ降ろしてないから綺麗だし、抱っこして平気だよ？」
腕の中にそっとベルをおいてあげると、Aちゃんの表情がすぐに破顔した。
「ふわふわー。かわいー。」
「ベルも尻尾振って喜んでるよ。」
可愛い可愛い言ってるAちゃんの方がよっぽど可愛いと思うけど。
北山の彼女じゃなかったら、絶対好きになってる自信あるな。
いつも笑顔で礼儀正しくて、服装も露出のないお洒落なモノを上品に着こなしていて、俺のめちゃタイプ。
なんで北山より先に出逢えなかったんだろうな。
「きゃはっ。指先舐められて擽ったーい。」
「ベルは好きな人には指にキスする癖があるんだ。」
「なにそれ可愛いーっ！もう可愛いしか言葉が出てこない。」
「ふふ。Aちゃんお散歩しよっか。」
「はいっ。ベルちゃん歩くよー。」
Aちゃんはベルをそっと地面に降ろすと、俺を見上げて微笑んだ。
「お散歩したらさ、ベルも行けるカフェに行ってみない？」
「え、一緒に行けるカフェ？」
「そう。犬用のおやつとかも売ってて、店内とかテラスで一緒に食べられるんだよ。」
「えーっ、すごーい。」
「じゃあ、決まりね？」
そこから歩いて10分くらいの場所にあるドックカフェは俺のお気に入りのお店で、たまにフラッと来てコーヒーを飲んだり読書を楽しんだりしている店。
あまりプライベートを邪魔されたくない俺は誰かにそこを紹介するのは初めてだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 649人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にかみつば
| 作成日時：2020年12月9日 18時
