251……Ki ページ11
「うわぁ、Aちゃんと会ってたんだー。それでお肌ツルツルなんだー。やらしーおミツ。」
「たまちゃんまでやめてくれません？それに俺、元から肌はプリップリだから。」
「自分でプリプリとか、さむーっ。」
「ほんとだよ！自分でプリプリとか童顔とか、最年長のくせに聞いてるこっちが恥ずいわ！」
「おい、誰も童顔なんて言ってねえだろ。勝手に盛って引くなっつーの。」
なんで最年長の俺が弄ばれてるんだよ。
小競り合いどころか仲良く俺のことチクチク刺してくるんですけど、なに？これ。
今はAちゃんが心配で、2人と遊んでる暇ないんだってば。
今日はどうにか早く帰りたい。
たしか、ラジオと雑誌の取材と撮影だから早めに終われっかな？
あぁ、でも途中でライブの打ち合わせがあるし長引きそうだよなぁ。
Aちゃんには置き手紙もしたけれど気づかない可能性もあるから、一応朝行く時にメッセージも入れておいた。
仕事の合間に携帯を確認したけれど、既読になることはなかった。
携帯も見れないほど辛いってことか？
熱が上がったりしてたら、どうしよう。
そんなことを思いながら合間に携帯を確認していると、母ちゃんからメッセージが届いていた。
母親今日、仕事?お婆ちゃんからあんたに渡して欲しいって預かったモノあるから、これから行くからね。
え、うちに来るの？
なんか用があるとか言って、たまーに来ては勝手に洗濯とか皿洗いとかしてくんだよな。
つーかAちゃん寝込んでるんですけど。
とりあえず母ちゃんに電話を入れることにした。
「もしもし、母ちゃん？今どこ？」
「あと15分くらいでマンション着くけど。」
「あのさー、来てもいいんだけど今うちに彼女いて風邪で寝込んでてさ。起こしちゃうから掃除機とかなんもしなくていいからね。」
「あら、そうなの？薬は飲んだの？」
「え、薬……？やべ、全く頭に無かったわ。」
「あんたねぇ。仕事で一緒にいてあげられないなら、ちゃんとそういうことしなさいよ。」
「わーってるよ。」
俺、気が動転してたのかな？
薬とか、全然頭に無かったわ。
何やってんだろ、俺。
すげー頼りねえじゃん。
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作者名：にかみつば
| 作成日時：2020年12月9日 18時
