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「私ねぇ、エッグベネディクトとコブサラダ食べるー。あとカシスオレンジお願いしまーす！」
「じゃー俺はハワイアンピザ頼もっかなぁ。Aちゃんも食べるの手伝ってくれる？」
「うん。みんなで、シェアしよー。」
「桃子たちは決まった？」
「決まったー！」
今日も涼くんがスムーズにみんなのオーダーを取ってくれて、乾杯をした。
「桃子が言ってたんだけど、涼くんって最近学校来てないんでしょ？」
「そーだね、内定決まってからはわりとバイト三昧かなぁ。今あそこ以外にパソコン入力のバイト始めたんだよねぇ。」
「そうなんだぁ。私も短期のバイト始めようかなぁって思ってて。」
内定が決まった人は学校へ来なくなる人や、卒業旅行の費用の為にバイトに励む人も多くいる。
涼くんもこの期間を利用してバイト三昧の日々を送っているらしい。
「Aもバイトするの？ヒロ兄はAに甘いから、ちゃんとお小遣いくれるじゃん。」
「うーん。でも私、一人暮らししたいんだよねぇ。」
「えーっ！？嘘でしょ！？絶対ヒロ兄は反対するんじゃないの？？」
「うーん……やっぱりするよねぇ。」
「そりゃするでしょー！寂しがるよぉ。」
そのことについて、実はずっと悩んでいた。
ヒロちゃんには話したことはないけれど、大学を卒業したら家を出て一人暮らししたいなって思ってて。
バイトをしていてもヒロちゃんは私にお小遣いをくれているから、貰った給料は使うことなく全て貯金してきたから結構な額が貯まったていた。
私も社会人になるし、なによりもヒロちゃんには幸せになってもらいたい。
私があの家でずっと一緒にいたら、ヒロちゃんはいつまで経っても結婚できないと思うから……
まだ私が幼い時は教育に悪いからとか、今も私に気を遣って彼女を家に連れてくることもしない。
でも長く付き合ってるし、彼女もヒロちゃんも絶対結婚したいに決まってるもん。
ヒロちゃんが結婚してくれないからって理由で別れてしまったりしたら、絶対私は後悔するし、邪魔な自分が嫌になると思うから……
私があの家を出たら、きっとヒロちゃんは結婚すると思う。
ヒロちゃんにはそろそろ自分の人生を生きて欲しい。
自分を優先して生きていいよ、って言ってあげたい。
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作者名：にかみつば
| 作成日時：2020年12月9日 18時
