12話 ページ14
「姉ちゃんみたいな子が廃墟とか行くんだね〜」
『あは、意外ですか?よく行きますよ。』
仕事でね。という言葉は押し込んで窓の外を見る。
フリーで活動しているため行きも帰りも自分で車を呼ばないといけない。
任務が終わってタクシーでホテルに帰っている途中、携帯を開くと数時間前に不在着信が来ていた。
開いてみると、[伏黒恵]の文字。
嫌な予感しかしないな、と電話をかけるとワンコールで出た。
『もしもし恵?電話なんて珍しいじゃん。』
伏黒[姉さん、]
『……ん?』
恵が電話するのも珍しいけれど、私のことを姉さんと呼ぶのはだいぶ精神的に余裕が無い時。
姉さんと呼ばれたのは津美紀が呪われた時以来だから今回もかなり弱っているのだろう。
伏黒[今、どこにいるんですか。]
『任務が終わって帰るところ。どうしたの?何があった?』
伏黒[……虎杖が、死んだ。]
どうやら予想は当たってしまったらしい。
『……そっか。』
私への任務が最近多いことも、東京での任務が主だったのに急に今日京都に飛ばされたのも、私を現地に向かわせないようにするためだったらしい。
『すぐそっちに行くから。まぁ、いつ着くかわかんないけどその時に詳しく話を聞くね。』
伏黒[わかりました。じゃあ、]
『恵、』
伏黒[……はい]
『恵は悪くないよ。大丈夫。』
伏黒[……はい]
電話を切るとすぐにタクシーの運転手の人に行き先を駅に変えてもらうようにお願いした。
とりあえず高専に行って事情を把握しないと何も出来ない。
それに恵は死んだと言っていたけれど宿儺がそう簡単に器を手放すとは思えない。
私の憶測に過ぎないけれどきっと悠仁は死んでいない。いや、今は死んでいたとしても生き返るはずだ。何らかの契約を結ばされて。
きっと遺体は硝子のところにあがっているだろう。解剖を少し待ってもらうようにお願いしないといけない。
久しぶりにタップする家入硝子の電話番号にかけるとしばらく経ってから繋がった。
『もしもし硝子?急にごめんね。虎杖悠仁の遺体がそっちに来てると思うんだけど、私今からそっちに行くから私が着くまで解剖待って欲しい』
急いで言ったからか返答が返ってこない。
もしかしてまだそっちに遺体がいっていないのかも、と思っていると
五条[へぇ、硝子には連絡先渡してるんだね。]
『……は?』
電話口からは聞こえてくるはずのない低い声。
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さいま - とんでもなく面白いです!!応援してます!頑張ってください (2021年8月2日 18時) (レス) id: 21de75adc5 (このIDを非表示/違反報告)
seola(プロフ) - らっかせいさん» やだ嬉しいありがとうございます(*´˘`*)頑張ります〜! (2021年6月5日 16時) (レス) id: af1403e9e5 (このIDを非表示/違反報告)
seola(プロフ) - 睡藤月さん» 諸説あるものの、現在そのように解釈されている方が多い中で、軽率な判断で生誕祭と明記してしまっていました。申し訳ございません。誕生祭に変更させて頂きます。 ご指摘ありがとうございました! (2021年6月5日 16時) (レス) id: af1403e9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっかせい - 凄い面白い!!更新頑張ってください!! (2021年6月5日 7時) (レス) id: ac50ef14ea (このIDを非表示/違反報告)
睡藤月(プロフ) - すいません。あまりお気になさられなくても構わないのですが、20、21、22ページの生誕祭についてなのですが…生誕祭は、亡くなった方の生まれた日をお祝いするお祭りとして使われるものなので生誕祭ではなく誕生祭になされた方がいいのではないでしょうか、? (2021年6月5日 5時) (レス) id: 9dd75bf370 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Seola | 作成日時:2020年11月11日 21時