満点星 (ページ28)

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涼太のところへ行かなくなって1ヶ月経とうとしていた

もちろん、仕事はちゃんとやっている

ほかのメンバーは涼太の所にほとんど毎日行ってるらしい

行った次の日には必ず俺に涼太の事を報告してくる

今日もだ

mm｢舘さん昨日ずっと寝ていたよ

抗がん剤の副作用が思ったより辛いらしくて…｣

｢そう｣

俺だって行きたい

でも何故か涼太の病室の前に着くと足が動かなくなる

結局動けなくて家に帰る

そんな日々が続いていた

抗がん剤治療を始める時だって何か声掛けてやればよかったのに

何も言えなかった

そんな自分が心底嫌いだ

fk｢翔太、今日舘さんの所行かない？

舘さんも久しぶりに翔太の顔見たいと思うよ？｣

｢…いいよ俺は｣

まただ

結局逃げてしまう

現実見るのが怖いから

いつか涼太が死んでしまうと思っている自分がいるから

ru｢…翔太くん｣

｢ん、？｣

ru｢…ダサいね｣

｢は、？｣

ru｢怖いんでしょ、現実を見るのが

舘さんは今も現実と戦ってるんだよ！！

抗がん剤治療だって凄く辛いはずなのに…

翔太くんだけずるいよ！！！

そんな意地張ってないで早く舘さんの所に行きなよ！！！！｣

核心突かれた

言い返したいけど、図星だから言い返せない

fk｢…行こうよ

一目会うだけでもいいから、ね？｣

ラウールに言われてようやく決心した

｢…行く｣

fk｢ん、分かった｣

ru｢…もう二度とダサい真似しないでよね｣

｢うるせぇよ…｣

涼太にはタイムリミットがある、絶対に

いつかが来てしまう前にちゃんと向き合わないといけない

小さい頃からずっと一緒だったから

唯一無二の幼馴染だから

失いたくないんだ